山

4年前の夏のことだけど、近所の雑木林とか峠の林道とかでクワガタを探してて、三体の首吊り自殺体を見つけたことがある。

藪漕ぎ(やぶこぎ)が嫌だから普段なら入らない場所なのに、なぜか足が向いた。

クモの巣を払いながら藪を歩いてると何か腐ったような臭いがしたが、気にせずズンズン進み秘密の一本クヌギのポイントを目指した。

腐敗臭は段々と強くなってきて、もしかしたらと嫌な感じがしたけど、せっかく苦労してここまで来たのにと、引き返すことが出来ずに一本クヌギに到着。

クワガタもたくさん採れて、さあ帰ろうとした時、女性の小さくふりしぼったような声が。言葉ではなくすすり泣くような感じ。

なんか絶対にヤバイなと思ったけど声の方向へ歩くと強烈な悪臭と、ものすごいハエの羽音がしてた。

ふと前方にある大きな木が目に入り恐る恐る近づくと案の定、人がぶら下がっていた。しかも三体、衣類を見て一人は女性だとわかった。

首が30cmくらいに伸びており、ものすごい数のハエがたかり、まさに地獄をみたような気がした。すぐさま警察に連絡したけどあんな思いはもうごめん。

あとで聞いた話では自殺した三人は親子で、死後2ヶ月近くたってたらしく下半身は野犬か何かが食ったらしく、一体は地面に落ちててボロボロ状態ですごく大きなウジがそこらじゅう這ってて逃げ出したいほどだった。

何が原因で親子三人が自殺したのかは知らないが、あれ以来トラウマになり好きだったクワガタ採集も行かなくなった。

あの時聞いた、すすり泣くような女性の声はなんだったのか今でも気になる。

長文ごめん。