新幹線
16/07/15
身内がなくなる時にはいつも不思議なことがあるのですが、中でも祖母が他界した時は印象的なことがありました。

祖母の危篤の知らせを受け、息子を連れて実家へ向かいました。息子は当時5才の年長組で、卒園を間近に控えた1月のことです。

新幹線を乗り継いで、故郷の駅が近づく頃にはもう夜になり、車窓から雪が舞うのが見えました。

もうすぐ到着のアナウンスが入り、降りるためデッキに出るとそこに、全身真っ白な服装の少女が立っていました。

白装束ってわけじゃなく、昔の体操服っぽい白の上下に白いスニーカーと帽子なんですが、ロゴやワンポイントもなく、本当に真っ白なので、ちょっと異様な感じがしました。

失礼ながら、そういう宗教か、どこかの施設の人かな?と。年齢がまたよくわからない感じなんですが、10代なかばから後半くらいに思いました。

荷物もなく手ぶらで立っていたので、トイレに行くのかと思い、邪魔にならないよう避けたのですが、じっとこちらを見ています。目が合って会釈したのですが、急に息子の頭をなでながら

「ボク、いい子だねぇ、春からはもう小学生になるんだから、学校でしっかり頑張って、お母さんに心配かけないようにしてね。お母さんを大事にするんだよ」

というような事を、故郷の言葉で真剣に話かけています。初対面なのに息子の年齢を知ってる事に驚き、息子を見ると突然のことにビビッて固まっていたので、

「あ、ありがとうございます~、もう降りますので~」

とか言いながら、息子を引き剥がしたところで駅に到着しました。

そそくさと降り、急ぎ足でホームの階段まで行ったところで振り返ると発車のベルが鳴り響く中、新幹線を背にしてさっきの少女が私達を見送るようにじっと立っていました。

翌日、祖母は意識を取り戻すことなく永眠しました。子供達と3人の孫、5人のひ孫に見守られ、99才の大往生でした。