俺、今28だが、一昨年ツレが事故で亡くなった。
ガキの頃から、ずっと一緒に遊んできた奴で、釣りに行くのもいつも一緒だった。初めて雷魚を釣った時も、初めて60を釣った時も、初めてボートを出した時も。
夜釣り中心だが、多い年は年間釣行200日という年もあった。腕の方は五分五分。口に出しては言わなかったが、少なくとも俺は相手の腕を認めていた。
ツレの葬式が終わってしばらくして、俺はツレの家族から、形見として釣り道具一式をもらった。ツレの家族は泣きながら、供養だと思って使ってやってくれと言っていた。
でも、俺はその日から釣りをやめた。何気ない事までやけに思い出されて、悲しくて悲しくてどうしても行く気になれなかった。
3ヶ月ほどそんな日が続いたが、その頃からなぜかそのツレと一緒に釣りに行く夢ばかり、やけに見るようになった。
釣りやめるなって言ってるのかなって思って、ある日意を決して、ツレが一番よく使っていたロッドを持って、一番よく行っていた野池に出かける事にした。
月が恍々と照って、やけに明るい晩だった。
で、これだけ長文書いて、引っ張ってきて申し訳ないが、幽霊を見たとか、そのおかげででかいバスが釣れたとかそういう話では全くない。
釣果は30くらいのが二匹くらいだったと思う。ただ誰もいないはずのところから、ロッドを振る音が何度も聞こえてきていた。
不思議と怖いという感覚はなく、やっぱり来てくれたな、と素直に思えて、俺はその時、ツレが亡くなってから初めて泣いた。馬鹿みたいに声を上げて泣いた。
今も釣りは続けている。ツレはもういないけど、あいつのタックルはいつも一緒だ。で、夜になれば時々暗やみからロッドを振る音が聞こえてくる。
怖い話じゃないな、スマソ。
コメント
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友達いないんだね、かわいそう(´•ω•`)
猪木!
猪木!
猪木!
猪木!
チクショーー!
気の毒だわー。
周りにいてくれる人をもっと大切にしよ
かなり生態系に被害をもたらしてる外来種をリリースするなよ。清水〇明みたいな馬鹿になるぞ。
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