13/04/06
うちの一族はもともと九州南部の山間の小さい集落に住んでいた一族で、集落の名前(地名)=一族の苗字、集落全体が親戚って感じです。
そんなうちの一族に伝わる不思議な話です。
もともと別の土地に住んでいたらしいのですが、戦に追われ一族郎党でその山に逃げ込みました。
着の身着のままで上は老人、下は乳飲み子で食べるものもなくなり、山中で精も根も尽き果ててあたりも暗くなり、もはやこれまでか…とみんなあきらめかけたそうです。
すると闇の中から人影が現れ言いました。
「こんな夜中に幼子を連れて山にいるやからがいるといわれて様子を見に来たら、本当にいるとは驚いた」
地元の人間が警戒して偵察に来たと思った長老が、明日になればすぐに立ちさる、もうしわけないが見逃してくれ。と頼みました。
人影は、疲労こんぱいの一族を見回し、しばらく考えると
「ここでは夜露をしのぐにはつらかろう。あっちに窪地がある。そこで火を焚き暖を取るといい。」
そういうと山の中に去っていきました。その場にとどまっても仕方ないと、言われた通り窪地に移動して一夜を過ごしました。
夜が明けて、とりあえず移動しようとすると山の中から「鷹(たか)のような異形の男(口伝のまんま)」がイノシシをかついで現れました。
驚いていると「姉者のお恵みじゃ。喰え」と言いました。
その声は昨晩、窪地を教えてくれた人影の声でした。警戒しながらも腹をすかしていた一族はありがたくいただきました。
ご飯を食べてる間、「鷹のような男」は長老たちに、どうしてここにやってきたのか、これからどこにいくのか聞いてきました。
いままで住んでいたところを追われ、行くあてはない、と答えました。「鷹の男」は話を聞くと
「このまま山を下ると川にあたる。そのまま川沿いに下ると大きな岩がある。その辺りは弟の縄張りだ。話は通してあるからそこに集落を作るといい」
そういうと、いつの間にかいなくなっていました。
あれは山の神の使いに違いないと思ったご先祖様は、言われた通り川沿いにあった大岩の近くに集落を作りました。
以降、大岩周辺にいる神様を
「山裾(やますそ)さま」
山中で出会った「鷹の男」の神様を
「山中さま」
「鷹の男」が言っていた「姉者」を
「山上さま」と、呼んで奉りました。
以上が小さいころに聞かされた、集落創立の昔話です。
ちなみに集落近くにいらっしゃるせいか山裾様の目撃例が一番多く、かなりの人が川沿いの大岩で日向ぼっこをしている大きなフクロウを見ています。
大岩近くで川遊びをすれば水難に遭わないといわれていたので、夏になると子供たちがよく泳いでいるのですが、その子供たちを楽しそうに大岩から見ている山裾様が目撃されています。
逆に、山上様は見たという人はおらず、その存在も山中様の「姉者」という発言と山頂にある祠(ほこら)からしかその存在は確認できません。
コメント
コメント一覧
鷹と梟の兄弟の姉様はどんな鳥なのかな?
鳳凰?
やさしい神様だね
こういうのイイね
だがまあたまにゃ悪くはない
こういう口伝的なエピソードも楽しいね
日本昔ばなしになって本やテレビで見れそう。
助けてくれたのは神様、ご先祖様どっちかなー?
お爺の子供の頃は、小学校のクラス30人で4家系(遡れば多分皆親戚)
本家には何か口伝でもあるんだろうが、分家には伝わっていない
今住んでる所で同姓の人とたまたま話ししたら、先祖が同じ地区に住んでいたと聞いてびっくりした(昔の分家筋なんだろな)
こういう話はほんと貴重だと思う。
これを見て、まだまだ世の中には埋もれてる面白い話があると思った。
そして忘れ去られ、消えていく話も…
つまり、これから大和が鳥男と戦ってタケルの名を手に入れると?
「大岩で日向ぼっこをしている大きなフクロウ」が凄く可愛いし見てみたい。
自然を敬うことの大切さも思い出させてくれました。
すべてを奪い取ったのを、譲られたと称するんだよな
でもってその後ろめたさから、虐殺した人々を祀り
こういう嘘伝説で封じ込めるんだ
フクロウ画像がかわいいんでいいや
落ち武者系の隠れ里は、そうやって滅びると聞いた事がある。
※18の話しも、実に興味深い。
六部殺しとか聞いたことない?w
通りすがりの行き倒れを助けたら実は神様/仏様だったので御利益を授かって幸せに暮らしました、なんてやつ。
実際はカネ持ってる旅の商人を家に泊めてコロしてカネを奪っただけ、っての多いよw
誰も見たことがない、のではなく「見たら」恐らく帰って来れなくなるのだろう。
遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。
満天の星をいただく、はてしない光の海を ゆたかに流れゆく風に心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、タージンです
そういえばちょっと顔がフクロウっぽい 蒙虎なのに
LINEかなんかで。
ゆかり深い自然の動物を神格化して崇めるのは
神話や伝説にはよくあるね。
日本人なのにやけにエラ張ってたりモンゴル顔ならそういうこと^^
実際の地名で特定されちゃうから、ぼかす。
その昔とても大きな神さまが寝ていて、頭があったところを頭○○、お尻のあったところを、尻○○と今でも地名で残ってるんだって。
頭○○の親戚に聞いた話でした。
確かにそうかもしれんが、この話にねじ込むのはどうかと。
※28
27の話別に難しくないし、変でもないだろ?3行以上は読むのキツイのかな?
乗っ取りの場合、女の怨みや祟りで支障がでない限り女を祀らない。
あの辺りは昼間でもなんか違う雰囲気漂う場所ある。
伝説をそのまま受け取ってしまいそうな自分もいるけどなぁ
山の神は女神が多いのでその地域の山岳信仰を調べてもいいかも。鷹やフクロウが神様でそれぞれいるかもね
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