11/08/15
何年か前の夏の夜のこと。
どうにも暑くて寝苦しくなった俺は目を覚ますと、目の前に人の脚が見えた。首だけ動かして上を見たら、脚の主は親戚の叔父さんだった。
叔父さんは何ヶ月か前から癌で入院していて、夜中にこんなところへ一人で来るはずがなかったから、俺は直感で「ああ、叔父さんは亡くなったんだな」って思った。
俺が子供の頃から叔父さんはよく一緒に遊んでくれて、とても優しい人だったしぜんぜん怖いとは思わなかった。不思議だとは思ったけど、安らかな気持ちになって俺はそのまま目を閉じて眠った。