キキーっという音がした。私は瞬間的に振り返った。
自転車が車道に弾き飛ばされ。転がった男の上をトラックがタイヤでしっかりと踏みつけて通りすぎたあと急停車した。
私はただあんまりの事態に交通誘導の警備を学生時代にやってた事を思い出し。
慌てて車道に飛び出すと喉が割れんばかりにピピーッと叫んだあと、片手を上にしっかりとあげて手を振ってから踏み切りの真似事のごとく腕を地面と水平にした。
夜だったから見えているのかどうか心配だったが、車間があいていたのも幸いして辛うじて後続車をとめることはでき。
そのあいだに私はぴくりとも動きもしない被害者の元へと駆け寄った。