徳島の田舎。当時10歳の私と祖母は、山菜取りに山の中に行った。
よく晴れた気持ちのいい日だった。
小休憩の間に林の中をうろうろしていると、 少し開けた草むらに、私は2,3件からなるバラックの集落を見付けた。
妙な気配に振り向くと、男が三人、近くの茂みの暗がりからじっとこちらを見つめている。
身長はでこぼこだが、三人とも小太りで目が大きく丸刈りと、驚くほど似ていた。
そして男たちは、頬を風船のようにふくらませ、顔を真っ赤にしながら、こちらに向かって必死に息を吹きかけ始めた。
私は恐ろしくなり、大声で泣いた。