20年ほど前、俺が実際に体験した未だに信じられない話を書こうと思います。
というのも、俺の周りには超常現象的なものに詳しい人物が全くいないので、今から書く出来事を一体どう解釈したらいいかわからないからです。
大学生の頃、俺は本当にどうでもいい日々を送っていた。夢も目標もなく、部活やゼミやサークルにも所属せず、ただひたすら漫然と過ごす怠惰な生活。
やることといえば、そんな俺と同じような目的のない仲間、KとSとドライブすることだったがそれにも次第に飽きて、どうせドライブするなら廃道を探索しようと誰ともなく言い出した。
廃道とは、使われなくなった道路や閉鎖された道路のことを指すらしいが、俺達はあくまで車でいける範囲でしか行きたくなかった。
なので、閉鎖された道路と言うよりは大きい道路ができたために使われなくなった道路とか、どこにつながってるのかわからないような細い脇道を、Kの所有するジムニーでドライブするだけのものだった。