
通勤で通る小さな公園に毎朝、老いた野良猫(三毛)がいた。
俺は必ずポケットに煮干を入れて通勤するようになった。毎朝煮干あげて、頭をなでてから通勤した。
ある朝、冷たくなってるそいつを見つけた。そこいらに埋めて犬とかに掘り返されても可哀想だから、会社に電話して半休をもらい、電車で4駅の俺のじいさんがやってる寺に運んだ。
あとはじいさんがそいつを骨にし、無縁仏の墓に入れてくれた。
次の日、通勤でそいつのいた公園を通り、あああいつはもういないのか…と思いながらも、いつもあいつのいたベンチのしたにポケットの煮干を置いた。
翌朝も、その翌朝も煮干を置いた。