昔ね、友達と海に行った時の話なんだけど。
砂風呂をやろうとして、あんまり人目が多い場所だとちょっと恥ずかしいから、
あんまり人気のないところで、友達に砂かけて埋めてもらったんだ。
顔には日よけのパラソルがかかるようにしてもらって快適だったし、すぐにウトウトし始めた。
その時、不意に誰かが近づいてくる気配がして、「オキテタラヤル」と、若くはない女性の声でしゃべったのよ。
友達の声じゃなかったし、妙に抑揚が無いしゃべり方だった。
かなり眠かったから無視したんだけど、結局それきり声はかけてこなくて、気配もすぐ立ち去った。