父方の実家での昔の話。
俺がまだ5歳の時のことで、その頃はなんでそういうことが起きたかわからなかったが、
いま考えると、その訳が分かるような気がする話。
父方の郷里は和歌山県。
内陸の方で海は無かったが、周囲は田んぼが多く、春になるとレンゲの花が咲き乱れる、素晴らしい所だった。
父の夏休みを利用して、父も久方ぶりに帰郷したのだと思う。
息子に故郷を見せてあげたかったんだろう。
折しも季節は春で、レンゲ草が田んぼ一面に広がっていた。
写真もあるが、ここでの記憶はいまでもありありと心に再現出来るぐらい、幼心にとって天国のような記憶だった。
ただ一つだけ、当時は納得いかなかったことを除いては。