うちの婆ちゃんから聞いた、戦争のときの話。
婆ちゃんのお兄さんはかなり優秀な人だったそうで、戦闘機に乗って戦ったらしい。
そして、神風特攻にて戦死してしまったそうです。
当時婆ちゃんは、製糸工場を営んでいる親戚の家に疎開していました。
ある日の夜、コツンコツンと雨戸をたたく音がしたそうです。
「だれぞ」と声をかけども返事はなし。
しょうがなく重い雨戸を開けたのですが、それでも誰もいない。
婆ちゃんは、それになにか虫の報せを感じたそうで、
「兄ちゃんか?」と叫んだそうです。
返事はありませんでした。