これは、伊豆大島に合宿免許に行ったときの実話です。
夜、寮の仲間と海岸へ花火をやりにいきました。夜の海岸は風が強く、
なかなか火がつかないので、海を背に林と物置小屋の間に身を寄せる様にして、
kさんが花火に火をつけ始めました。それでも火がつかず、私が呼ばれ、
kさんの後ろに被いかぶさる様に立ち、火起こしの手助けをしておりました。
すると、私の前でしゃがみながら、必死に火をつけようとしているkさんが突然、
何かに驚いた様に、又何かに突き飛ばされた様に私に凄い勢いでぶつかってきました。
私も突然の事に驚き、そのまま後ろに倒れながら、「なにやってんだよ」と言うと、
ゆっくり振り向いたkさんの顔は真っ青で、私の目をそらす事無くじっと見つめて一言、
「何でもない,ごめん」と言い、ゆっくり立ち上がると場所を変え、
又花火に火をつけ始めました。kさんは霊感が強く、よく霊を見ると言って、
毎晩、私達に怪談を聞かせてくれる人だったので、いやな予感がしましたが、
その場は何ごとも無く遊びを終え、寮に帰る事にしました。