実家が葬儀用具の卸売をやってた。親父が確か4代目だか3代目。
俺は長男で跡継ぎだったんだけど、経営が傾いていたことと、俺自身そんなに継ぐつもりもなかったので、
親父が脳溢血で死にかけたのを機に会社を畳んだんだ。
寺とか神社とか、葬儀会社とかの直接な仕事じゃないとはいえ、
やっぱり人の死で稼ぐ商売、心霊的な話はチラホラ親父から聞かされてきたし、
たまーに俺も体験することがあったんだけど、その中で一番ヤバイ話。
会社を畳むことが決まって、家族で色々と片づけてた時だ。
事務所は親父の生家(随分前から住んではいないけど)だったから、
会社の在庫やら親父、おばさんの私物やらが沢山あった。
で、まだ使えそうだけど俺たちは使わないし、とはいえ捨てるのも勿体ない、みたいなものを表に出して、
欲しい人に持っていってもらおうって事になったのね。
住宅地だとたまにあると思う。
玄関に段ボールを置いて『ご自由にお持ちください』って、アレ。