
一年前くらい被災地から引っ越してきたその彼女は、都内のアパートに住んでた。
その日、親しくなりたかった俺は、彼女の他の友達たちと、アパートにお邪魔することが出来てかなり嬉しかった。
結構いい部屋なのに家賃が安いらしく、いわく物件?と冗談で聞いたら「五人くらい死んでる」と管理人に言われたのを教えてくれた。
ヤバいんじゃ、と言ったが彼女は笑うと「もっと怖い家に住んでたから」と教えてくれた。
その日、布団も人数分あるわけじゃなく、雑魚寝をする事になったが、夜中に変な音に気づいて目が覚めた。カリカリと天井から聞こえて来る。