03/03/11
私の実家は、戦後まもなく祖父が人から買ったもので、ずいぶんと古い家だった。
普段はタンスなどが置いてある6畳間には広い押し入れがあり、ストーブや扇風機、客用の布団や衣装ケースなどが納められていた。
幼い頃、悪さした時などは良くそこへ閉じ込められたものだった。
最初の頃は、暗闇の恐怖と孤独感からか、私も本気で泣き叫んでいたが、成長するにつれ暗闇にも慣れてくると、あらかじめ隠しておいたキャラメルやミルキーなどの菓子を食べながら、布団にもたれて寝てしまい、心配した母親が戸を開けるまで、眠りこけていることもしばしばだった。