高校の頃の友人には霊が見える父親がいた。
その父親(仮にR氏とする)は、ユネスコホテルの職員をしていた。
年中、全国にあるホテルを飛び回っているらしい。
R氏は毎年夏になると、○○県にあるホテルを訪れることになっていた。
そのホテルは4階建ての本館と別館があり、その間は渡り廊下でつながっていた。
7年程前にそのホテルに訪れた時、渡り廊下の4階から、下にいるR氏を女の子が見ていた。
小学校低学年ぐらいで、どこにでもいそうな普通の女の子。
普通と違う所は、彼女は既に死んでいるという事。
R氏にはそれがすぐに解った。
「可哀そうにな・・・成仏するんだよ・・・」
心の中で手を合わせ、ホテルの職員事務所に歩いていった。