
一つ、話そうと思う。
あれは19の頃、友達同士で免許を取り、毎日のようにドライブに興じていた頃の話だ。
その日は、一番最後に免許を取得したY(男)がハンドルを握り、この日参加するはずだったK(男)は都合が悪く来れなくなったので、俺と女友達のA・Iの四人で深夜のドライブを楽しんでいた。
最初はスピードも出さずに普通に運転していたYだが、車が少なくなり見通しの良い直線道路に出ると、徐々にスピードを上げて飛ばし始めた。
『法定速度を守れよ』
と俺が注意しても
『まぁ、空いてるし良いじゃん良いじゃん』
と言いながら、なおもグングンスピードを上げていく。女の子達は意気揚々。対照的に俺は完全に意気消沈。