HIRO1018033_TP_V

361 :1/3:2012/02/02(木) 15:23:00.75 ID:7Ga3oUvA0
父は憑依体質というか、毎晩のように唸される人だった。
対して母はまじない師の家系だったからか、そういうのを跳ね除ける人。
父が唸されても、母が胸あたりをペシッとすれば収まっていた。

大雨が続いた秋だったと思う。
ある夜から、父が尋常じゃない唸され方をするようになった。
金縛りにあい、家中に響くような大きな声で唸る。

半月ぐらい経った頃、金縛りにあった父がふと横を見ると、
そこには白装束の老婆が、あちらを向いて横たわっていた。
いよいよ見えるようになってきた。
父は日に日にやつれていく。

ある夜。すさまじい唸り声が父の寝室から聞こえた。
起きていた私は寝室のドアを開けようとしたが、
頭の中で警報というか『開けるな!』という声を聴いたような気がして、
あわてて風呂に居た母を呼びにいった。
続きを読む