15/06/17
俺が経験した不可解なこと。
震災のあった年、俺は地元から県を二つくらいまたいだ街に出向してた。クソ暑い時だったから8月か9月じゃなかったかと思う。
そんなある日の仕事帰りその街の駅前で声をかけられた。声をかけてきたのは高校の時以来久しぶりな地元の友人。
友人は痩せてはいたけど、間違いなく同じ部活にいたAだったと記憶している。
こんな地元にゆかりもないところで旧友と会えたことにテンションが上がって飲みに誘ったが、俺いま酒飲めないんだ、というAの言葉に一緒に駅前の喫茶店に誘ってコーヒーを飲んだ。
誘った手前、俺がAに確認して注文をして支払ったことを覚えている。
Aとの話の中心は昔のことと近況。Aは結婚して子供がいることも聞いた。
で、Aはこんなことを言った。最近病気で痩せて軽くなったせいか、自動ドアが反応してくれないことがよくある。
とか電話をすると向こうの声は聞こえるのにこっちの声が聞こえない故障が多い、とかそんな話をAは苦笑いしながら言っていた。
Aが今日この街に来たのも偶然で、誰か旧友に会いたいなと思ったら、俺が目の前に出てきて声をかけたって言ってた。
いろいろ話したあとに、俺が地元に戻ったら一緒に飯でも食おうぜって約束して別れた。そしてそんなことは日常の一部として忘れてた。
去年、高校の部活の同窓会があった。そこにAは来なかった。友人BにAはどうしたん?と聞くとAが死んだの知らないんか?と驚いた顔をされた。
聞けばAは震災の年の夏にガンで、長い入院の果てに亡くなったといっていた。でも俺、Aに俺T県で震災のあった年の夏に会ったぜ?と言えばBはそんなことはありえないと思うよって言われた。
俺があの時会ったのは本当にAだったのか?本当に夏だったのか?Bが間違ってやしないだろうか?そういえばAはなんであの街にいたのか?
病院を抜け出してきていたんだろうか?そういえばあの時、自分の存在の薄さについて笑っていなかったか?
彼と別れるときに俺が片付けたトレイの上のコーヒーは手がつけられていなかった気がする。Aはあの時俺の目の前に確かにいたと思う。
でもあれは本当にAだったのか?
今でも俺はそのことを思い出すとモヤモヤしてしまう。
620:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/17(水)12:09:21.85ID:GHEsZqhn0.net
その話が本当だとすると、
・Aは自分が死んだことに気付いてないと思われる
・自動ドアは幽霊にも反応することがある
・幽霊は電話をかけ相手の声も聞けるが、相手には声を認識されない
ということになるね
621:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/06/17(水)12:21:58.89ID:cFVIfff60.net
>>620
一応話自体は本当、のつもり…でもいろいろと自信がもてなくなってる。
確かに震災のあった年なんだよな、俺が仕事でT県にいた時だから。俺には幽霊には見えなかったんだよな、普通の人にしか見えなかった。
電話とかそうなんだろうな、だって俺と普通に話してたし。
いろいろ考えはしたんだよな。やっぱり幽霊なのかな?とか、生霊なのかな?とか、俺かBたちが年数間違えてんじゃねえかな?とか、病院抜け出してた時に俺にあったんじゃ?とか、結局はよくわかんない。
コメント
コメント一覧
会いたかったから会いに来たんじゃね?
死んだ事に気付かないのって交通事故に巻き込まれて即死したとかならありそう
まるっきり四十九日のあれやん
絶対的な自信がある過去でも、客観的な状況を見ていくとどうにも整合性がとれない
そういう記憶のひとつふたつ、誰でもあるんじゃない?
それはそうと似たような話はたまに見かけるな、フィクションだが
本人が死んだことに気付いてなくて周りも普通に接してる、とったはずの食事が減っていないは類型の話では王道
爪を切った記憶がないのに伸びていない、で本人が自分が死んでいることに気付く話は秀逸だった
末期癌は痛みが酷いから痛み止めで患者を朦朧とさせる
そして意識朦朧のまま死を迎えるから、自分の死を把握してなくて当然だと思う
その瞬間はそうであってもそれまでに死を覚悟したりはするんじゃない?
少なくとも気が付かないうちに死んじゃうケースとは比較にならないと思うな
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