家の中の怪異
16/10/17
小学生から中学生にあがる頃、両親が離婚しました。

私は母親に付いていくことになり、母親には再婚相手がいてその再婚相手のお金で家を新築して3人で暮らすことになっていました。

程なくして家は完成して新しい生活が始まりました。そして今までの家では起きなかった現象の数々に悩まされることになります。

例えば金縛りにひんぱんにあうようになり、PCやストーブなどの電源が勝手にONになるなど…。私は霊感がなく、この家に越してくるまで一度も金縛りの経験がなかったのですが…。

同じく霊感もなく全くそういったものを信じなかった母親も同様の経験をしています。

ふと親から聞かされた建築途中にあった出来事を思い出しました。

大工が突然気を失ったり、担当の住宅会社の若い営業マンが亡くなったりと、当時は不幸なこともあるもんだ、くらいにしか思わなかったことも関連を疑ってしまいます。

それから1年ほどが経過して今度は母の再婚相手に重病が発覚し、1年ほど闘病生活を送るも帰らぬ人となってしまいました。まだ40代でした。

この辺りから私も母もだいぶ精神的に不安定になり、いさかいが絶えなくなったように思います。

相変わらず金縛りにはあうし、母は誰かが歩き回っている気配がするとも言っていました。この家で経験した私がもっとも記憶に残っている出来事もこの時期です。

ある日の午前3時を過ぎた頃、金縛りにあって目が覚めました。恐怖心もあってすぐに寝付く気にはなれなかったので、電気を付けテレビを付けました。

するとテレビに黒字の背景に白抜きで大きく「呪」という文字が表示されたのです。

表示は一瞬でした。そのときは「たまたまそういう演出の時にテレビをつけてしまった、なんてツイてないんだ」と思い、怖かったもののそこまで気には留めてませんでした。

ですが今になると非常に疑問が残ります。テレビがそんな演出をするものかと、したとしてそんなタイミングがありえるかと。

住んでた4年間で結局何らかの「実体」を目にすることはありませんでしたが、もしかしたら霊感のない私へ送られたメッセージのように思えてなりません。

引っ越してからはそうした現象に悩まされることもなくなりましたが、悩みが一つ。

まだあの家は売却していなくて、一部荷物なども置きっぱなしなのです。いずれ荷物を取りに行かなければならないと思うと、気が重いことこの上ない…