ビル
11/10/23
先日、大学の同期の友人と久々に食事した時の話。

友人は大阪に出て技術職、私は地元で病院に就職しましたが、勤めている病院は古く、たびかさなる増改築で構造はぐちゃぐちゃ、たまに立ち入る旧館の方は霊感ゼロの自分でも、ちょっと薄気味悪い感じすらします。

そして定番の、誰もいない部屋からのナースコール、外に誰もいないドアをノックされる、勝手に開く自動ドアなど妙なことも数回経験しました。

食事の途中で、「病院って本当にそんなことあるんだねー」と何気なく話題に出したんです。

そしたらその友人も、「自分の会社にもそういう事がある」と聞かせてくれたのが以下の話です。

「あのね、窓の外をおじさんが落ちるの」

私は「…え?」と聞き返しました。

友「会社が入ってるフロアがビルの14階なんだけど、その窓からまっさかさまに落ちていくおじさんが見えるんだよ。しかも定期的に。私就職して半年ぐらいだけど、その間に3回あったかな」

私「ええぇ……。それって、自殺した人が死んでると気づかずに何回も飛び降りてるとか、そういう……?」

友「ううん。何年か前に、窓拭きのおじさんが事故で落ちて亡くなったらしいの。落ちるときいつも同じ青い作業服姿で、落ちる窓も同じだし。

私は直接見えない側のフロアだからいいけど、隣の会社の人がちょくちょく見ちゃうらしくて。新人さんとかはかなりびっくりするみたい。

落ちるのが見えたら、一応下とか確認して管理会社に連絡するんだけど、まぁ何もないよね。ほんとに誰か落ちてたらそれはそれでやだし」

私「絶対嫌だ……私そんな会社なら間違いなくやめる」

友「うん、結構やめる人多いみたい。仕事もハードだから40代とか50代の人がいきなり亡くなったりするしねー。心臓病とか癌とかで」

それって本当に病気のせいだけなのか、と聞きたかったんですがやめておきました。

友人は「勝手に開く自動ドアとか、そっちの方が怖いし!」と言っていましたが個人的には絶対に「落ちるおじさん」の方が怖いと思います……。