ガ

単に大学4年間住んでた激安アパートがマジキチ住人しかいなかったって話。都内だけど家賃3万円代、某物件サイトにも火事マークで載っているところ。

バルコニーと建物全体が変な形というか、ミニ四駆でいう肉抜きしてて、2階の部屋から全階の廊下が見える。

オバケ臭い部分以外は箇条書きします。

マジキチ住人エピソード

・入り口の集合ポストのところにある掲示板に「苦情のありました覗きはヒトではありませんので過度な反応は控えて下さい」

・3階建てで、2階の真ん中に住んでいたんだけど、全方向から奇声とか呻き声とかあらゆる声が聞こえてくる。

・左隣りのポストに外側からリカちゃんの胴体が詰め込まれてて毎月増える。

・上の住人が、墨汁を溶かした水で風呂とリビングを浸水させて、俺の部屋の天井がボツボツの真っ黒になる。

・「お母さんです」と、一見檀蜜を老けさせたみたいな、小綺麗だけど目つきが尋常ではない初老の女性が、23時前後に定期的に訪問(1階の人で全部屋にやってた)

・雨どいから小便が流れてくる。

・好奇心から泊りにきた友人2人がバルコニーのつい立てで隠れながら住人観察して「動きがSIRENだわ…」と本気で青ざめてた(SIRENはゲームで、いわゆるゾンビ)

唯一のオバケっぽいエピソード。

上に書いた友人2人が泊りに来た時と、集合ポストのところの掲示板の貼り紙の内容。

最初猫とかが覗きやイタズラしに来るのかーと思ってたら、そうでもない。

住み始めて4日目で0時~3時の時間帯で強烈な視線というか、誰もしゃべらない大人数に囲まれてる様な変な緊張感が1時間強続く事に気付いた。

引っ越し1日目から住人がキチガイばかりと気付いてたから、関わらないが吉と思って無視してたけど、どうにもトイレのある玄関方面から毎日変な感じの視線が続いて、厚めのすだれで玄関からトイレ扉の間をシャットアウトする事にした。

それ以外は特に何もなかったし、家賃の事もあったので、キチガイ声もイヤホンと耳栓で全ての音と雰囲気をさえぎって毎日早めに就寝。

程なくして「お母さんです」おばさんの存在が出てきて、俺は勝手に視線=住人のおばさんと勝手に解釈してて変な安心をした。

でも来るのは週に1~2回だし、そもそも時間帯が午後9時前後だし、どうせならひとまとめにしてくれとすら思ってた。

2年の秋に大学の友人2人に徐々にやつれてるきてる理由を聞かれて、部屋の事を言ったらぜひ泊まりたいって事で2人が金土日に2泊3日する事になった。

上記のキチガイエピソードを真に受けてなかった2人は、本当って事が分かってドン引きしてたが、さすがに毎日覗きにくるおばさんはアカン、身なり綺麗ならまだ話せばやめてくれるかもしれないって事で2人で注意してくれる事になった。

毎日やってくると話したら、初日はまず何もしないで普通に過ごしつつどんな感じか体験しようって事になって、ちょうど午前1時位にアニメ全員で見てた時に異常な緊張感がやってきた。

俺は慣れたものだったけど、2人が俺の顔をバッと見るくらい、他人でもわかるくらいの異常さというか、玄関から異常な視線がゆんゆんしてくる。

ジェスチャーと口パクで友人が玄関のすだれを指さしながら「これか?これか?」ってやってて、俺がうなずくと2人は俺に超くっついてきて1日目は終了。

2日目朝に「あれはヤベーわ」ってすでに2人がやつれてて、でもあんなのが毎日ある俺はもっとヤバいよなって友人2人は話してた。

でも注意はしてくれるって事になった。無理せんでもって話をしたけど、この事に俺は本当に感動した。

適当に昼間遊びに出て3人で帰宅したのが午前10時、もしかしたらお母さんおばさん来るかもって話をしてたら案の定来た。

でもドアをトントンして「お母さんです」って言っていくだけだし、覗きは現行犯じゃないとって話になって3人でガン無視。おばさん隣の部屋へ通常運行。

問題の視線の時間付近になって、住人が住人なんで逆恨みとか出ない様に念のため2人には覆面というか手拭い被って顔わからなくしてもらった。

それに安心したのか注意してやるぜwwwみたいな雰囲気なってこれはイケる!ってなったんだけど、0時ちょい過ぎたあたりで強烈な視線がきて2人はやっぱり萎縮。

でも頑張るってジェスチャーしながら(俺は金属バット持って待機)、視線がきて20分くらいたった時にゆっくり玄関まで行って、2人はせーの!でバッとすだれをよける音がした。

そのとき友人1人の本気の悲鳴ともう1人は腰抜かしてて、あの強烈な視線がなくなってた。(ただしその時だけで翌日以降は普通に視線ありました)

友人2人は「フクロウ」と「ガ」って言ってて、話を聞くとガの目玉模様みたいな崩れた顔が覗いてて、2人が見た瞬間にすっと下に向かって消えた。

玄関ポストから下は、顔をバッて下にやったらアゴを強打するくらいの距離なので、多分おばさんではない。気配も足音もその後はしなかった。無視が一番だって結論になった。

3日目朝に帰る時に友人2人はしきりに引っ越しした方がいいって言ってきたが、正直経済的に無理だったので、そのまま4年間暮らした。

体重は23kg減って、顔色が悪いヒョロ糞ガリになって、卒業する頃には見た目だけならキチガイ住人とあまり変わらなかったと思う。

話はこれでおしまい。問題ある格安物件は色々と消耗するからマジでおすすめしないって話でした。