幽霊
16/10/25
10年前、学生でカラオケ屋のバイトをしていた頃の事。

俺は稼ぎたかったので、0時から閉店の6時までの深夜勤務に入っていた。

バイトには色んな人がいたが、特に夜は変わった感じの、わけアリっぽい人が多く、あまり近付いて欲しくない様な雰囲気を相手が醸し出していたから、そこまで仲良くはなかった。

で、話が飛ぶがある日、前の時間のシフトの女性が自殺した。軽い欝の持ち主だったみたいで、酔っ払いのクレームを真に受けて衝動的に飛び降りをやってしまったそうだった。

そこから、色んな事が起こった。特に自分がいた深夜勤務は3時を過ぎるとワンオペになるし、その時間はほぼ客もいなかったから最悪だった。

ビビったのが、お客さんも全くいない完全に1人の状態の時、店内放送で自分の好きなCDを掛けていたはずなのに、突然あるビジュアル系バンドの曲が掛かり始めた事。

それがまた気持ち悪くて、なぜだかテンポが上がったり下がったり。

CDを止めても店内放送で流れるので、コンセントを抜いたら一番奥の部屋から同じ曲のカラオケが流れ始めた。

しかもよくよく聞くとボソボソ…っと歌ってる様な声まで聞こえて、たまらず店を飛び出したら、店内の照明が激しく点滅していた。

しばらくすると収まったが、その日はもうどう言われてもかまわないと言う気持ちで、朝番が来るまで外でねばった。

その自殺した女性が勤務していた時間帯から色々起こるみたいで、倉庫スペースから「ちょっと~」と呼ぶ声が聞こえたり、物が勝手に動いたり、誰かに肩を叩かれたり。

夜勤全体でさんざんな目に合って、多くの人がやめていった。さすがにヤバいという事で、夜勤には必ず店長が入る事になった。

で、ある日の事、今日も絶対何か起こるぞ、とビビりながら作業していたんだが、部屋を清掃していた店長が突然「ウワァァ!」と叫びながらこちらに走って来た。

こっちも腰が抜けそうになるぐらいだったが、続く言葉を聞いて背筋が凍った。

「あいつがいる!」

店長がその言葉を発した直後、部屋からコールが来た。崩れ落ちそうになりながら、どこからコールが来たのか確認したところ、店長が「あいつ」を見た部屋だった。

腰が抜けた店長を連れ、外に飛び出してその場で店長にやめますと伝えた。

今はもうなくなって他のテナントが入ってるが、大丈夫なのかなぁ…。