09/08/11
私の友人はオカル否定派なのだが、そんな彼がなぜ霊を信じないのかと言う話。
彼は高学歴で社会的地位もあり、円満な家族を持ち、現在極めて恵まれた生活を送っている。そんな彼が中学の時、今から二十五年以上も前の話だ。
担任の先生から一人の級友の面倒を見て欲しいと頼まれた。
その級友と言うのは‥中学入学時に新しい制服を買ってもらえない程の貧しい家庭で、父親は不在で母親は現在で言えば養育能力がないと判断せざるを得ない人物であった。
昼休みには一緒に弁当を食べていたのだが、その級友の弁当は毎日、ご飯と梅干と魚肉ソーセージであったと言う。しかも級友はそれを自分で毎朝作っていると言うのだ。
もっとひどい話もあった‥たまに級友が妹を連れて彼の家に泊まりに来たと言う。級友は彼に何も言わなかったが、町の噂では、母親が男を家に連れ込んだ時には級友兄妹は家から追い出されると彼は聞いていた。
当然の事であるが、級友はイジメの対象となっていた。ふしだらな母親の事、貧しい家庭の事、その他もろもろ。
良くある話だが、同級生である町の有力者の息子とその取り巻きに惨(むご)い仕打ちを受けていたと言う話だ。彼は何もしないで級友を見ていたそうだ。
ここで、現在の彼を知る私は聞いてみた。なぜその級友を守ってやらなかったのかと?
「子供のルール‥」
とだけ、彼は答えた。
確かにそうだ。私も今では子を持ち、イジメ問題に大人の視点で綺麗ごとを我が子に言うが、私の中学時代にも子供のルールと言う名の惨い掟があり、それにしたがっていた事を認めざるを得ない。
そんな級友と彼は昼休み、残酷な同級生から逃れる為に図書館に逃げていたらしい。
級友は複雑な家庭環境で育ったにも関わらず純粋かつ聡明であったと言う。私はこの時、彼が他人を聡明と褒めた事に驚いた。
自信家の彼が褒めるのだから、その級友は相当聡明な人物であったのだろう。私の驚きに彼は、今まで級友ほど賢い者に会ったことはないとまで断言した。
中三になり県内一の進学校を目指す彼は級友の進路が気になった。
級友はお金をもらいながら勉強が出来る学校に行くと言う。そんな学校が日本にあるのかと不思議がる彼に、級友は悲しそうに話を誤魔化すだけであったと言う。
ただ、級友は嘘や妄想でそんな事を言っているわけではなかったようだ。新しい担任と熱心に進路について相談していたらしい。
しかし‥級友は受験に失敗した。彼は信じられなかった。級友を受け入れない学校がこの国にあるとは思えなかったからだ。
級友はその一度の失敗を持って進学を断念した‥同時に彼も進学をあきらめた級友から離れた。なぜ?と聞く私に彼は
「元々、内申書の為に級友の面倒を見ていたに過ぎない。級友が聡明であったので自分の学力向上と言う副産物も付いたが‥
受験直前期に進学をあきらめた級友の面倒を見るメリットはもはやなく、イジメのとばっちりと言うデメリットをなくしたかったからだ。」
彼はその後、級友との接触を極力断ち、受験に専念し見事、進学校に合格した。
そして卒業式の前日、彼は級友からの電話を受けた。級友は彼に友人として接してくれた事の感謝を述べた後、この友情が彼に迷惑をかける事になると詫びた。
彼が級友を最後に見たのは、翌日の卒業式が終わった後であった。
バットを持って同級生に襲い掛かろうとしているところを数人の教師に止められていた。級友は目から血を流しながら一人の同級生に向かって叫び続けていた。
「お前を絶対に殺してやる‥殺してやる。」
その顔は人間の顔ではなく鬼の顔であったと彼は言う。その翌日、級友は自殺した。三日前に級友の妹が自殺した同じ場所で首を吊って。
彼が担任から経緯を聞いたのは、町の人が噂をしなくなった翌年のお盆の事だ。
級友が自衛隊の学校に進学を希望していたのだが級友の左目は視力が失われていた為、身体検査で落ちてしまったと言う事。
級友は中二の時に同級生にモップの柄で左目を突かれた事と、級友の家庭が貧困であった為、適切な治療を受ける事が出来なかった為、失明してしまっていたのだ。
その上、級友が可愛がっていた中学生になったばかりの妹が自殺した件にも同級生が関与していたらしい。
私がここで関与していたらしいと書くのは彼が、級友の妹に何があったのかは話してくれなかったからだ。ただ非常に綺麗な少女であったそうだ。
彼はオカルトを信じないと言う‥
この世に恨みを持った人間が霊となり、復讐出来るのならばとっくの昔に級友が同級生に復讐しているはずだという。
「あの時、級友は町の神社の拝殿に真っすぐ顔を向け、睨み付けるように首を吊って死んでいる所を見つかった。それなのにあの同級生は今では父親の後を継ぎ、町の有力者として生きている。」
と彼は言った。
コメント
コメント一覧
君が言っても軽く聞こえるけどね。とりあえず部屋から出なさい
聡明なわりに悪手ばかり選んでる。
見て時には家に泊める中学生ってのが
おかしい
そんでそこまで面倒を見てたなら
失明するだけの怪我ならすぐに気がつく
こんな話が本当にあったらたまらないよ…
本当なら貴重な日本人の子供が亡くなった。町長とか言うが帰化人の議員がゴロゴロする日本。
報われる事や、叶う事の方が少ない。
理由になってない
文章が下手
15点
警察や医療に絶対関わらないで怪我したり死んだりはできないってこと
教師もやる気がなければ(母親がヤクザと繋がってれば)何もしない
医療機関も金がない人間には厳しい(公的機関の力がなければ)
創作とは思うけど、似た話を体験した人間には見るのが辛かった話
創作であってほしいです。
オカルトは全て、創作か統失の妄想ですよ
なんで保健室に行けばその流れで問題なく病院に行けると思ってるの?
そりゃ、明らかに連れて行かなきゃ学校の過失と判断されてしまうような見た目だったら、仕方なく連れては行かれるけど、親がその医療費を払わないと分かっていて連れて行けるのはその1回だし、その後の親の対応含めて面倒な責任問題になる。
そしてそれ以上に、病院に勝手に行ったことでその子ども自身がひどい目に遭うんだよ。
文章からして、目から血がだらだらでるようなあからさまなケガじゃなかったんだろうし、子供がそういう理由で自らケガを隠しても仕方のない状況だし、普通に考えればそれくらい分かるよね?
少年だからこその決断だったんだろう
これも大人の綺麗事に聞こえる
同感、すでに失う物もないし、やるなら確実にやらんとな。
復讐とは成就しなくては意味がないからな。
まあ、これは実話ではないだろうけど、これと同等、またはこれ以上に酷い実話もある事も
忘れてはならない
余命三年時事日記ハンドブックを読む事をお薦めします。
横槍入れるが・・・随分と上から目線で分かった様な口ぶりだから同じ口ぶりで優しく教えてあげよう。
なんで保健室に行ってもその流れでは病院に行けないと思ってるの?
普通はそのレベルの大怪我で保健室に行けば校医が病院に連れていくべきと判断するよ。この場合医療費の支払いは親じゃなく加害者の親もしくは学校に責任があるし、もし見過ごした結果一生ものの後遺症が残った場合は、その後の学校側と加害者側の対応含めて面倒な責任問題になる。
そしてそれ以上に、病院に行かなくて良いと勝手に判断した事でその校医自身がひどい目に遭うんだよ。
それに「目を失明するような怪我」をしたなら、普通は失明したという「結果からして」怪我の症状を想像するものであって、出血が一切なかったとしても凶器がモップの柄だったなら相当なアザ・腫れはあるものだよ。「文章からして」考えるものではないし、この部分だけ考えても文章と症状とその対応に無理があるほど矛盾してる事が、普通に考えればそれくらいわかるよね?
最初の1回は行けても次回からの通院に親が金ださんって言ったら
この友人はどうしようもなかっただろうな
気になって気になって…。
この話が実話だとして、この級友は聡明であったからこそ、怨霊などにならなかったのでは。
コメントする