07/08/11
私が中学生だった頃。
年末に、粗大ゴミ置き場に大きなポーズ人形が捨ててあった。綺麗な水色のドレスで、一目で気に入った私は「お持ち帰り」。母に見せたけど、母も
「お人形は捨てるもんじゃないしね」
とあっさり承認。私はそうじしたての室内に飾って浮かれていた。
その日の夜。冬休みの宿題で机に向かっていると、ポーズ人形の方から物音がする。ゴミ捨て場にあったから、まさかG?とおそるおそるふり返ると、人形の裾が動いている。そして、何か見える。
よくよく目を凝らすと、人の手が…指の先が、スカートの中から見え隠れしている。
「え」
思わずつぶやくと、指先は一瞬動きを止め、スカートの中に引っ込んだ。人形ひっくり返して中を確認するのがセオリーだけど、自分にはそんな勇気がなかった。
ビクビクしながら人形をつかんで、ベランダに放り出した。
翌日、母には虫干しと偽って人形はベランダに出しっぱなし。そのまま、年明けまで放置していた。
で、元旦。行く年来る年も見た。じゃあ明けましておめでとう&おやすみと部屋に引上げた時の事。窓ガラスがペタペタ言っている。ガラスの向こうには、人形…血の気が引いたね、この瞬間。
ものすごい勇気を振り絞って、カーテンをほんの数cm開けてみた。
そこには、予想通りの人形。スカートの裾がほんの少し上がっている。ただ、人形を見下ろす状態なので、裾の下は良く見えない。そして、見たくもない。そのままカーテンを閉めると、布団を引被って強制睡眠。
覚えている限りずっと、ペタペタという音はしていた。
翌朝ベランダを確認すると、ポーズ人形のスカートがワイヤーごとまくれ上がっていた。
そのまま、適当な空き箱に包むと初詣に直行。神社の「お焚き上げぬいぐるみ」箱に入れてきました…
もう十数年前の話でした。
コメント
コメント一覧
ちっさんが入ってるんだね
「前のご主人様は、こうやってヨロコンデマシタ」
拾ってくるもんでもないよ…
気まぐれに拾われる→手を見られ隠れるが外に放り出される→入れてよとペタペタ→お焚き上げ(悲しきかな)
お人形さん「ここどこー?」
神様?「何じゃお前さん?やれやれ最近の人間はまったく何でもかんでもこっちに送って・・・
まぁー良いか、ほれこっち来い、おーい皆の衆新しいお仲間じゃぞー」
お炊き上げ後は、蒸らしを忘れずにね
どうも腹が減ると思えばww
お焚き上げっすね
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