山道
11/02/20
俺がまだ消防だった時、父親(すでに離婚した)と飯食いに行ったんだ。

どんとダムって知ってる?兵庫にあるダムなんだけど、そこにいくつか短いトンネルがある。

でトンネルの手前で俺が小便したくなった。父親はがまんしろって言ったんだけど、どうしようもなくなってここでしろってトンネルの手前の脇道?みたいなところに車を止めて、俺を茂みに連れてった。

で、小便して車に帰ろうとしたらさ、こう「アハハハハ」みたいな5歳ぐらいの女の子の声が聞こえてきた。怖い感じじゃなくて現実味のある普通の声でさ。

父親は聞こえてないらしく俺は父親に話してみた。けど、まあ信じてもらえない。でその日はそのまま帰ったんだ。

そして、1年くらいたったある休日に父親が釣りに行こうって誘ってきた。

俺としたら友達と遊んでる方が楽しいんだけど誕生日も近くて機嫌とっとかないとみたいに現代っ子なりに考えたんだ。どこで釣るかというと例のダムなんだな、これが。

で、あそこの近くってPAっぽいのあるじゃん。よくバイクとか止まってるとこ。そこに止めて行こうかってなったけど、父親が恥ずかしいっていいだしてさ。

まぁまわりはカッコいいバイクに乗ったカッコいいお兄さんばっかりで、コッチは父親と息子で釣り具もったダサダサ親子なわけだし、俺も恥ずかしかったんで違うところに止めようってなったんだ。

で、どこかというとトンネルの前の林の中。1年ほど前に声が聞こえたあの脇道だった。

そこは脇に車を止める簡易駐車場?みたいなところがあってさ。そこに止めて脇道の茂みの中入っていった。

でも、いきなり素人がルアーとかつけて釣れるわけないし。んでボウズで帰っていった。

帰りはもう暗くなってて、母さんに怒られる前に帰ろうwとかいって急いでたらさ、聞こえてきたんだよ。女の子の声が。

「アハハハハハハハ」

て、ずっと言ってんので、父親に怖い怖いって言ってたらドンドン大きくなってくるんだよ。声が…

「アハハハハハハハハアハハハハハハハ」

みたいに長くなって近づいてきてるみたいで、でも声は普通なんだよ。普通の小さい子が出すような声でさ。

そこら辺から父親にも聞こえてくるようになってさ。でも、父親は大人「子供が迷ってるかも知れん」と探しに行こうとする。

必死に止める俺。父親はさっき聞こえだしたから知らなかったんだ。どんどん声が近づいてることに。で

「アハハハハハハハハハハアハハハハハハハハアハ!!!!!」

みたいなひときわ大きくて長い笑い声が聞こえてからその笑い声が消えた。

俺も良かった~とか思ってさっさと車行こう!って父親を説得して(ここら辺の記憶があいまい。たぶん、母さんが怒るとか言ったんだと思う)で、車に向かって歩きだしたら短く「アハハ」って笑い声が聞こえたんだ、後ろから。

で、ホラーのようにゆっくり振り向くわけがない。

反射的にバッって振り向いたら、黄色いアマガッパを着た5歳くらいの女の子が立ってて、俺は怖くて動けなかった。でも父親は

「どうしたの~こんなところで?迷子?お母さんは?」

って大人な対応。

顔はゴツいのに子供は好きな我が元父上。そしたら急に女の子がすごいデカイ声で笑いだして、父親もこれはまずい!と本能で分かったのかな。

動けない俺を半分抱きかかえるようにしてすごい早さで逃げ出したんだ。そしたら向こうが追ってくんの。

父親は前向いてるからわかんないけど、おれは抱きかかえられてるから女の子をモロに見ちゃうわけ。ずっと俺の目を見て笑ってやがんの。

「アハハハハハハ」

って。で、すぐさま父親が車に飛び乗って(鍵は助手席が空いてた)

エンジンかけて車だそうとすんのよ、でも、向こうが追いついてきて窓にバン!ってぶつかって張り付いて俺を見てくるんだ。正直、トラウマになった。

でも父親はすぐさま車をだして逃げた。でスピード違反で警察に捕まって切符きられて帰った。