今年の夏、今までの人生で一番怖い体験をした。
最初は誰かに話すなんて考えられなかったけど、だいぶ落ち着いてきたので投下。
自分の家は中国地方の山奥の田舎にある。
俺はそこでちょっとした自然愛護のクラブに所属していて、いろいろイベントを企画したり参加したりしていた。
家から車で20分ほどの所に『○○さん』と呼ばれる山があるんだが、
主にその山を舞台にして、クラブのメンバーで登山やキャンプなどを催していた。
その○○さんで近々、一般の参加者を募ってクラブのメンバーで山のガイドをしよう、という企画が持ち上がった。
○○さんの魅力と自然の美しさをもっと地元の人に知ってほしい、というのが発端。
俺はその企画に賛同し、イベントの下準備などを受け持つことになった。
俺の担当は、必要な道具などの準備と、ガイドする場所の選定。
何度も上った山だけに案内はほぼ熟知しているが、
やはり一度山に行って実際に歩きながら考えようと、休日に一人で○○さんへ向かうことにした。
その日は良い天気で、絶好の登山日和だった。
俺はデジカメを片手に、要所要所でガイドのパンフで使う写真を撮りながら、純粋に登山を楽しんでいた。
そうして目標地点まで半分あたりに来た頃、湧き水の出る休憩所で一休みしていると、少し天気が翳ってきた。
帰ろうかと思ったが、イベント当日ではもっと上の方まで上がる予定だ。
もう少し歩いて、天気が荒れそうなら引き上げようと、荷物を持ち直す。
と、
「―――……」