
新居に引っ越して押入れに荷物を入れたとき、押入れの上の方に小さな小枝のようなオモチャが貼り付けてあるのに気付いた。
軽い気持ちで引っ張ったら、小枝に画鋲が貼り付けてあるだけのものだったので、何も思わずにポイッとゴミ箱に捨ててしまった。
そしてその日の夜、夜中にタタタタタッと小走りで誰かが走っていき押入れをスーッと開ける音がした。
寝ぼけているのかと思っていると、また、タタタタタッと小走りの音が聞こえスーッと押入れを開ける音がする。
足音は軽くて小さい子供か体重の軽い女性のような感じだった。これが朝まで延々と続いた。
翌朝、和室にいくと押入れのドアが10センチほど開いていた。押入れの奥をよくみると、木と同じ色の茶封筒が両面テープで貼り付けられていた。
それをはがして中を見ると、髪の毛が大量にはいっていた。しかも、キレイに切りそろえた感じじゃなく、バラバラの長さのもの。
良くわからないけど怖かったので、近くのお寺へいって事情を話しあずかってもらい、家に帰ってゴミ箱から小枝と押しピンを探し出してもう一度元のところに貼り付けた。
その日の夜は足音も押入れを開ける音もしなかった。ただ、押入れの前に髪の長い女が座っているのがたまに見えるようになった。
あの髪、事情を話して取り戻してきたほうが良いんだろうか?
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生きてる人間がやった、と言う発想はないんだな。
死んでる人間の思考はよく分からん。
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