ここの皆さんが怖いと感じるかどうか微妙ですが、私が体験したヤバイ映像の話を書き込ませていただきます。
これは私がネットで知り合ったAさんとの話です。私は趣味と言えるのは読書ぐらいで、良く小説を読みます。
Aさんとは小説評価とかがある情報交換サイトで知り合い、住んでいるところが同じ地区内って事が判ってからは、実際に会ったりするような友達になりました。
Aさんは小柄の細身で顔は綺麗な方です。何時も飾らない感じのサッパリ格好でいるので人に好かれそうな感じですが、趣味が高じて彼氏とかはいないそうです。
付き合っている内にお互いの部屋に行ったりする様にもなり、私は小説くらいしか趣味はなかったんですが、AさんはDVD鑑賞や自分で動画撮影したりとかもしているようで、映画や撮影したDVDのコレクションがずいぶんありました。
私は時々Aさんの勧める映画DVDを借してもらったりしましたが、Aさんはホラー映画が好きなようで、私が借りて一人で観ることが出来る映画はそれ程多くはありませんでした。
怖いので、ホラー映画については、時々Aさんの部屋で一緒に観させてもらいました。
そんなAさんとの付き合いが続いたある日のこと。私がAさんに借りたDVDを返しに部屋をたずねると、Aさんは外行きの格好で出迎えてきました。
出かける予定かな?と思い聞いてみたら、さっきリサイクルショップから帰ってきたとのこと。部屋の中には一つ段ボール箱が置いてあり、保存用のDVDがたくさん入っています。
Aさんの話では保存用のDVDをまとめ買いするようで、リサイクルショップは倒産品とかが偶に格安で出ているから時々のぞきに行くのだそうです。Aさんが
「たくさんあるからもらっても良いよ」
って言うので、同じタイプのケースでオレンジと黄緑のDVDを探して段ボールの中をごそごそと探していると、「K2」とラベルされたDVDが出てきました。私は
「Aさ~ん。なんか張られているのがあるよ。何かな?」
って聞いてみると、Aさんは
「時々中身が入っているのがあるからね~。観てみる?」
と私に聞き返してきました。
私が観ると返事すると、Aさんは
「エ〇かTV番組だと思うけどね」
と言って、すぐにお茶のペットボトルとお菓子を手際よく並べて、私の持っているDVDのケースを開けて観察しています。Aは、
「ん~、あまり中身は長くなさそうだな~。30分くらいかな?」
とか言いながら、DVDプレイヤーの電源を入れ、私の横にちょこんと座り、いつもの膝を抱えた前屈み姿勢でDVD鑑賞を始めました。
映し出された映像の画質はかなり悪く、薄暗い内装がされてないようなコンクリートむき出しの部屋から始まりました。真ん中に病院のベッドのような飾り気のないパイプベッドが映っています。
しばらくすると、一人の薄い青の患者服を着た女性が、二人の黒ずくめの服を着た男性に連れてこられベッドに両手両足を縛られ固定されました。
画質が悪いので顔とかは良くわかりませんでしたが、女性は何かしゃべったり叫んだりしているようです。
しかし、まったく声も音も聞こえません。その時になって、意図的に音声が入っていない事に気がつきました。
Aはこの映像を観ながら、「SMかよ~」と言っていましたが、後から別の男性が金鋸(かねのこ。金切のこぎり)を持ってきた辺りで眉をひそめて私を観ながら、
「やばいね。これってスナッフフィルムかもしれない。やめとこうか?」
と言ってきました。
私は「スナッフフィルム」って言葉が初耳だったので「何?やばいの?」ってくらいしか返せませんでした。
最初の2人組の男性が女性の膝辺りをビニールテープみたいな物でぐるぐる巻いた後に、後から来た男性が金鋸の歯を女性の足首に当てて切り出したシーンを観て、私は
「イヤ~ダメ過ぎ!止めて!」
とAさんに言い、Aさんは「終了~」と言いながら停止ボタンを押しました。
その後でAさんから「スナッフフィルム」は殺人の映像が納めてあるフィルムであることを教えてもらいました。
そんな物を誰が喜んで観るんだか怖くなったんですが、Aさんが言うには、「スナッフフィルム」がテーマになった映画は結構あるらしく、本物とか騒がれた物は大抵ニセモノで、悪趣味な怖がらせ方とのこと。
私は映し出されたものがあまりにもリアルだったので
「警察に連絡した方が良いんじゃないのかな?」
って聞きました。
Aさんが言うには、画質から観て何度もダビングしているビデオテープからDVDに焼き直した物だから、元の持ち主もこの映像に大して関わってないだろうし、自分の部屋にはヤバイDVDがあるから警察と関わるのが面倒とのこと。
私もAさんならヤバイのも持っていそうって思うところがあり、後の事はAさんに任せる事にしました。
「また、人に見せられないコレクションが増えたな~」
ってAさんの言葉の「また」から、今のがAさんの「ヤバイ」部類なのだと思い怖くなりましたが、その日は口直しに「トゥルーマンショー」って映画をみせてもらい帰りました。
その時の話はこれで終わりです。
Aさんとは今でも付き合いがありますが、DVDを観るときにAさんが「やばい」って言う物は基本的に遠慮しています。
時々は挑戦して観ますが、後でかなり凹む事ばかりです。
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大丈夫大丈夫……と呟く男の声と、
何かに怯える女の声の録音された音声を聴いて居ると、その廃虚の黒く濁った風呂の上の天井辺りに、不気味な人の姿が有り、皆、逃げ出す……という様なのが有りましたよね。
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