サイコパス

心霊的な話とは違うのですが未だに理解出来ない事があって書きます。

小学生時代、地元のスポーツ少年団で5年生になると研修施設で一泊する合宿会があった。

合宿と言っても普通の林間学校のようなもので、野球、サッカー、バレー、剣道と普段の種目に関係なく男女みんなでレクをしたり、キャンプファイヤーしたりとかそんなのだった。

その年はあいにくの雨でキャンプファイヤーや花火は中止になってしまい、夕食後は父兄の持ってきたビデオを鑑賞することになり、映画の「ドラえもん」と「ドラゴンボール」でどちらか見たい方で分かれることになったんだ。で俺はドラえもんを選んだ。

ドラゴンボールはそのまま食堂で鑑賞になったんだけど、ドラえもんを選んだ子は違う部屋に誘導されて、俺たちはちょっと離れの建物に連れて行かれ、なぜか鑑賞するような部屋ではなく体育館に連れて行かれたんだ。

誘導してたのは俺のやってた野球のコーチや父兄ではなく、たぶん他のスポーツの保護者だったと思う。

本当に突然なんだけどその知らない保護者から「じゃあ走るから」っていきなり言われて、みんな目が点になったけど無言の圧力でなぜかそのまま30分位体育館の中を走らされた。

ドラえもんを選んだ子は女子や比較的運動が苦手な子も多く、そんなガチのスポーツ少年団でもなかったから、みんな泣きそうになって走った。

途中で歩いてしまう子も多く、最初は「ホラ、がんばれ!」位だったそのオッサンも徐々になぜか怖くなってって「止まるな!オラ!!」みたいになっていった。吐いた子もいた。

そんなガチでスポーツが得意でないうえに、映画だと思ってた時間に突然怖い知らないおじさんから走れと言われた30分位は本当に長く長く感じて、この時点で泣いてる女子もいた。

「終わり!!」って言われてみんなその場にへたり込んでハーハー崩れていると、「オラ!集まれ!!」ってそのオッサンは叫んだ。

うちの小学校にはそんな怖い先生もいなくて、みんなガチでビビっててステージの前みたいなところに集合させられた。崩れて走れない子は、まだ走れた奴が体を引っ張って連れて行った。

そこからは延々、体操体系に開け!集まれ!遅えぞ馬鹿野郎!!みたいのをずーっとやらされ、右むけ右!や回れ右!とか、出来ない子は

「お前だけ出来てねーぞ!馬鹿野郎!」

とか延々やらされ、最終的にはその体育館をずっと行進させられた。当然、揃ってない!やる気がない!と怒鳴られながら。

ドラえもんが見れると思ってた俺たちの大半は泣きべそor泣いてて、それは22時位まで続いた。

その後開放され部屋に戻ると、ドラゴンボールを選んだ子たちはとっくに終わって、風呂も入っててみんなGBとかトランプしてて「遅かったなぁ」なんて言われた。

当然、野球部の保護者や指導員の関係者に訴えたんだけど、「本当に~?まじかよ~」とかなぜか笑って流されて、まともに取り合ってもらえなかった。

女子や他の子は怖くて言い出せなかった子もいて、ドラえもんを選んだ子たちはみんな狐につままれたような気分で寝た。

ちなみにそのオッサンは剣道の指導者だったらしいが、次の朝には何事もなかったように普通にいて、ニコニコ笑っててメチャクチャ怖かった。

30を過ぎた今でもあれが何だったのか理解出来ずにいる。サイコパスってきっとああいう奴なんだと思う。

結局、その剣道の指導者だったオッサンは誰かの保護者だったらしいが誰の保護者かも分からなかった。(学年の違う子の親が指導者をしていることもある為)

剣道部の子もみんな「普段はあんな人じゃない」と言ってた。

今でもその時のドラえもんを選んだ組の同級生たちと話すとあの事はハッキリ覚えてて話題になる。

自衛隊か何かの人だったのかなぁ…。