夢

東日本大震災の被災地で"時空の揺らぎ"現象が起きていた

昨年9月に、アメリカの超常現象誌『アトランティス・ライジング』2011年9・10月号に掲載された英文の取材レポートがある。

そこには日本の女流物理学者―今井理佐教授(仮名)が、震災直後の被災地で、自ら実地調査した自らの物理理論を裏付ける、という異常な超常現象が報告されている。

東京在住の物理学者・今井理佐教授は、東日本大震災の際に、多数の日本人が時空連続体の基本構造に発生した"時間の遅れの波紋"を体験したと主張する。

今井教授が被災地で現場調査を行ったところによると、「3.11」震災直後、宮城県仙台近郊の海岸地帯の被災地で、「時間を超えた」、あるいは時空の揺らぎを体験した、―という被災者が実は多く存在しているというのだ。その一つの事例はこうである。

―仙台市近郊の沿岸部が、津波に全てを押し流された数日後、被災地の現状を調べ、また行方不明になった家族を捜す目的で、避難した被災者の一団が、ワゴン車で被災の現場に戻ってきた時にその現象は起きた。

小道を走っていたワゴン車は突然、異様な形をした"雲"のようなものに突入した。真っ昼間だったが、雲はかすかに光っていて、車が進むにつれて長く伸びながら包み込むように見えたという。

その間、数瞬間、ドライバーもふくめて同じクルマに乗り合わせた全員が、クルマの両側に昔懐かしい古風な村の風景や人間を目撃したのだ。

ただ、それは昔は昔でも、どこかひどくちぐはぐで、違和感を感じさせる奇妙な景色だった。

体験者の一人で避難者グループに付き添っていた警防団員、中村東治氏の証言によれば、

「古い写真でよく見るような英国のビクトリア王朝時代と、日本の江戸時代をミックスしたような、へんてこな光景で、シルクハットの紳士たちと、顔をペイントした着物姿の娘たちが、腕を組んで歩いているかと思えば、向こうでは伝統的な侍姿のいかつい男たちが闊歩していた」という。

「一瞬、映画の撮影現場に間違って迷い込んだのかと思ったほどだったが、被災現場を撮影する人はいても、こんな時期にこんな場所で、時代劇みたいな映画を撮っているはずはないし―」

中村氏とグループ一行の主張では、景色は不安定に揺らめいてはいたが、確かに昔の家屋が立ち並び、人々が生き生きと動き回っている村か町の光景だったという。

さらに、ハンドルを握ったままぼうぜんとしてしまったという政府機関員A氏(保安上の理由で匿名)は、続けてこう証言した。

「1分かそこら車が進むうちに、あの奇怪な"雲"が消えたとたん、まるでガレキに乗り上げたようなショックを車体に感じた。次の瞬間、周りの"幽霊じみた世界"が、元通りの見慣れた世界に戻っていた―」

他にも何人もの被災者が、封建(ほうけん)時代から1940年代とおぼしい時代までの歴史世界、ないしは時間軸が微妙に異なるパラレルワールド的別世界の光景を、時空を超えて垣間見たという報告があるという。

ほとんどの事例は、上記の被災者グループの集団体験よりもずっと短時間、"過去"を覗き見した瞬間的タイムスリップに過ぎないが、今井教授の調査報告の中で最も特筆すべき特異なケースは、被災男性が一人、妻の目の前で"時空の穴"に消えてしまったという驚くべき事件だ。

震災4日目の3月15日、藤原淳子さん(仮名)は、夫の久和氏がほんの一瞬間だけ目の前に開いた"時空の穴"に吸い込まれるのを見て、恐怖の悲鳴を上げた。

夫人の証言では、"時空の穴"が閉じた時、落雷のような音が響きわたったという。その後、その男性の行方は全く分からない。

今井教授は、この事例に関連があるかもしれない後日談を一つ付け加えている。

教授の知人という東京警視庁の刑事B氏(匿名)から得られた情報によると、全く同姓同名(藤原久和)を名乗る男が、1981年当時、B氏の勤務する所轄署に駆け込んだという。

男が話したところでは、"時空の穴"を通って最初は1960年代に出たが、再び"時空の穴"に吸い込まれたら、今度は現代(当時)の1981年3月15日に出現したという。

B氏が名前と日付をはっきり覚えているのは、ちょうどその日が、B氏の新人警官としての初出勤日だったからだそうだ。その後、その男がどうなったかは不明だ。

今井教授は、男がB氏の前に現れた年月日が、東日本大震災で被災した同姓同名の男が、妻の目の前で消えた年月日のきっかり30年前という事実から、両者の姓名の一致は偶然ではなく、完全に同一人物か、あるいはパラレルワールドのいずれかから"時空転移"してきた別バージョンの当人だろうと推測している。