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286 :本当にあった怖い名無し:2011/10/17(月) 21:23:45.66 ID:kjC1SIPx0
怖い話ではないが、俺の故郷にいた不思議な動物たちの話。

うちの実家は九州の阿蘇と九重の間にあるド田舎なんだが、
その地元近くの山には妙に人間慣れした(?)動物たちがいた。
その山は別段変わったところもなく、特に危険な場所とかもなかったので、
山菜取りや山登りとかに利用してて、地元の人間は結構出入りしてた。
で、山に入る人達がちょくちょく妙な動物たちと遭遇してたんだわ。




287 :本当にあった怖い名無し:2011/10/17(月) 21:37:04.88 ID:kjC1SIPx0
その①、タヌキみたいな動物
山道を歩いていると向こうからのたのた近寄ってきて、一緒に歩き出す。
全然人を怖がらなくて、いつもしばらく歩いているとそのまま離れて帰っていく。
俺も親の山菜取りの手伝いで山に入った時に、一回だけ遭遇したことがあるんだが、
見た目はタヌキっぽいが、尻尾が短くて、目や足の周りに黒い模様もない全身茶色の毛並だった。
エサが目当てなのかと思って、弁当のから揚げをやったりもしたんだが見向きもしない。
「キュー」とか「ギュー」とか鳴いて、しばらく人の足元をうろうろしたら、
そのまま何事もなかったように藪の中に帰って行った。
結構かわいかったんだが、こいつのお蔭で俺だけ目的地に到着するのが遅れたw



288 :本当にあった怖い名無し:2011/10/17(月) 21:49:28.47 ID:kjC1SIPx0
その②、野良犬さん達
誰かが捨てた犬が野犬化したのか、少し大き目の中型犬が何匹か山に住み着いている。
随分前から代々山で暮らしているのか、村のじーさんばーさんも昔から見てるらしい。
こいつらに遭遇するのは大体帰り道で、山道を下ってる時にふと気づいたら遠目にこちらを確認してて、
付かず離れずで追跡してくる。
時には数匹で連携とりながら付いてくる時もあって、襲われたらと思うと結構怖いんだが、
今のところ、地元でこいつらに襲われた人は出ていない。
不思議なのは、この犬たちが現れる日が、雨とか雪の日とか天気の悪い日が多いこと。
普通、動物も天気が悪いと姿を現さないよな?



289 :本当にあった怖い名無し:2011/10/17(月) 22:03:52.83 ID:kjC1SIPx0
その③、いたずら猿
うちの近辺だと猿は結構レアな動物なんだが、件の山には1匹か2匹かが生息してるっぽい。
で、こいつらが迷惑なことに、木の上から人の頭に向かってものを落としてくるんだわ。
普通は空き缶とかボロい軍手とか山のゴミを落としてくるんだが、
人の顔を覚えているのか、こいつらに石とかを投げ返した奴にはヘビやカエルを落としてくるらしい。
だけど地元には古くからこの猿たちへの対処法が伝わっていて、
こいつらに会ったときに近くの枝に柿やリンゴを刺しておくと、その人には物を落とさないそうだ。
さらに俺の家の婆様は若い頃、山に入る度に果物を刺しておいたら、
アケビやイチジクのお返しを落としてきたとの体験談を語ってくれたが、俺は半信半疑。



290 :本当にあった怖い名無し:2011/10/17(月) 22:18:45.40 ID:kjC1SIPx0
俺の故郷の山には、こういう妙な獣たちが住み着いてた。
他にもご近所の御老体たちの話では、昔は大ミミズや黒イノシシなんてのもいたらしいが、
現在はそいつらとの遭遇体験は出ていないので割愛させて頂く。
俺も今は就職して地元に帰ることも少なくなり、例の山にもほとんど足を踏み入れていないが、
あの動物たちは今もかわらず山で元気にやっているんだろうか?
親との電話のやりとりで山の山菜取りの話題が出て、
ふとこの話を思い出したら懐かしくなったので書き込ませてもらった。


引用元:https://hayabusa6.5ch.net/test/read.cgi/occult/1356309352/