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361 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/12 03:48
私が中学生だった時、クラスにちょっと頭の不自由な子がいました。
実際に、けっこう無理はありましたが、いちおう普通のクラスで普通に勉強していました。
親の希望もあってナントカ学級には行きませんでした。
クラスでもちょっとおかしいところはありましたが、なんとかクラスにとけこんでいました。

が、時々理解不能な奇行をしました。


その子と仲良くしていた女の子が、乱暴まがいの事をされたこともありました。
その他にも、奇声やパニックなど茶飯時で、私のクラスにはある緊張感が漂っていました。
みんなその子になるべく触らず、かつオミソにして、機嫌を損ねないよう細心の注意を払っていました。

ある日の国語の時間でした。
先生が「…は~との潤滑油のように…」というような文章を読んだあと、
「あー。えーと、潤滑油って英語でなんて言ったらいいかな…」と言いました。
するとその子が、「グ…グ…グリ…」と、斜めに頼りなげに手を上げて言っています。
ここでみんなの頭の中には、『グリス』という言葉が浮かんでいましたが、
その子が言おうとしている、言わせたほうがいいだろうと、誰も言おうとしませんでした。
しかし先生は、「えー。なんだっけ。えー」と言いながら、その子に気付きません。
ついに、「おい、●●(私)なんだっけ。言ってみろ」と言いました。



362 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/12 03:49
よっぽど『わかりません』と言おうと思いましたが、「…グリスです」と言ってしまいました。
しかし先生が、「あー。そうかそうだったな。グリス」と言っているだけで、別になにもありませんでした。
その子も別に奇行もせず、いつもどうりニコニコしていました。
よかったー。少し心配しすぎだよな。俺ら。と思いなおし、授業の後もわざわざ話題にもしませんでした。
そしてその事は、放課後にはすっかり忘れてしまいました。

次の日、俺は朝練のため教室にはいつも一番にくるのですが、いつも通り教室には誰もいません。
しかし、自分の机、教室の一番前の窓側の席を見ると、なんか異様です。
テカテカ光ってます。なんだ?と思って触ると、ヌルッ!とします。…グリスでした。
机も、椅子も、スチールの支柱まで、中の教科書まで、全てグリスでギトギトに塗ってあります。
本当に、ゾーーッとしました。
「あいつだぁ…」と一発でわかりました。顔面は真っ白だったはずです。
その時、背後に気配を感じました。
おそるおそる後ろを向くと、あの子がいつもの何倍もの笑顔。
もはや怒り心頭の顔に見えるほどの笑顔を、教室のドアから、床とマジで平行!って感じで首だけ出していました。
体勢が辛かったのか、プルプル震えています。
僕は蛇に睨まれたカエルのように止まっていましたが、その子は僕に見つかったすぐ後、
「キャッ!」と子供の笑い声のような物を出して、走って逃げてしまいました。
僕は朝錬に行かず、雑巾でグリスを拭きました。
クラスの奴らも「どうしたの?」と聞いた後、それがグリスだとわかると、気付いて手伝ってくれました。

後日談とかいろいろありますが、書きません。
もちろん、その子に対していじめなどはありませんでした。
諦めに近いものはありましたが。卒業式まで同じクラスで過ごしました。
その子は母親が少し変わった人のようで、今も8浪?して高校受験をさせられているそうです。


引用元:https://hobby3.5ch.net/test/read.cgi/occult/1053491062/