ある青年が、K県に行った時のこと。
空腹になったので、一軒のトンカツ屋に入った。
夫婦者でやっているらしい、小さく古びた店だった。
奥の座敷は住まいになっているようで、子供がテレビを見ている姿がチラリと見える。
夫も妻も、無愛想で心持顔色が悪い。他に客はいなかった。
しかしここのトンカツ、食ってみるとものすごく旨い。
あっという間平らげ、青年は満足した。
会計を済ませ、帰り際。店主が「来年も、またどうぞ」と。
変わった挨拶もあるものだと青年は思ったが、
トンカツは本当に旨かったので、また機会があったら是非立ち寄ろうと思い、店を後にした。
76 :1/2 :03/11/23 20:37
それから一年…
再びK県に赴いた青年は、あのトンカツ屋に行ってみることにした。
しかし、探せども探せども店は見つからない。
おかしい…住所は合ってるし、近隣の風景はそのままだし。
まさかこの一年で潰れた…とか?いや、あんなに旨い店なのに。
仕方がないので、住民に聞くことにした。
すると老人が、
「ああ、あの店ね。あそこは11年前に火事で全焼してね。
家族3人だったけど、皆焼け死んでしまって…」
そんな…青年があの店に入ったのは去年のことだ。
戸惑う青年をよそに老人は続けた。
「毎年、火事で店が全焼した日、つまり家族の命日にだけ、その店が開店する…って話がある。
入った客も何人かいるようだが…。
あんた、去年入ったの?」
『来年も、またどうぞ』
帰り際の店主のあの変わった挨拶。
あれはつまり、来年の命日にもまた店に来いと、そういうことだったのだろうか…。
恐慌をきたしながらも青年は、家族の命日だけは確認した。
案の定、去年青年が店に入ったその日だった…。
……その話を青年から聞いた友人は、
「そんなバカなことあるかよ。お前ホントにトンカツ食ったの?」と。
青年は答えた。
「本当に食った!あんな旨いトンカツ初めてだったし、
それに子供が奥の部屋で見てたテレビ番組、ルパン三世の曲だってことも憶えてる」
しかし青年は、しばらく考え込んでから呟いた。
「そう言えば、子供の首が無かった気がする…」
引用元:https://hobby4.5ch.net/test/read.cgi/occult/1068510246/
コメント
コメント一覧
年に一日開店じゃ逆に混みそうだw
せっかくの面白い話に、そんな後腐れを残すようではいけません。シェークスピアの作品に『終わりよければ全てよし( All's Well That Ends Well )』と言うのがありますが、物語を上手に終えるのが一番肝心であり、難しい事です。
最後の3行は要らない。
コメントを上手に終えるのは、難しいね。
こんな店だからクリカンのルパンじゃないね
普通首がなかったら真っ先に気づくしそんな朧げに思い出すか?
首のことなんて気にも留めてなくて全く覚えてないならまだわかる
第一印象が美味いトンカツで次にくるのがルパン三世だから仕方ない
ガキの首がないとかルパンの前では誤差みたいなもんよ
隠された真実が?
本当は無理心中後か押し入り強盗殺人後のの放火だった可能性もある。
その時に首切られたの。
パートいくつなのか判明しても再放送ばかりしていたから役には立たないけど、
ルパンは心に訴えてくるからな
クソつまらないコメントありがとう
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