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263: 名無しさん@おーぷん 2018/03/09(金)05:53:45 ID:kWF
昔、あり得ない奇妙な体験をしました。
ある年のゴールデンウィーク。

当時の僕は、東京で独り暮らしをしていて、新卒のサラリーマンでした。
社会人になってから、初のゴールデンウィーク。栃木の実家に帰省することにしました。
車を自分で運転して帰ったのですが、渋滞に巻き込まれ、途中のサービスエリアについたときにはけっこう疲れていました。

結局、実家に到着したのは22時を過ぎになっていました。
家は、どことなく不気味で嫌な感じがしているように思えたのですが、霊感もない僕はそれほど気にせず中に入りました。




264: 名無しさん@おーぷん 2018/03/09(金)05:55:44 ID:kWF
両親はまだ起きていてくれて、他愛のない会話をたくさんし、「ずっとここにいなさい」と言ってくれました。
ああ、東京で独りで暮らす僕を心配してくれているんだな、と少し嬉しく感じたものです。
ただ、どうにも空気がおかしいのです。
気分が落ち着きません。

今日は渋滞と長旅で疲れているのかと、自室に行き休むことにしました。
・・・何か、妙な胸騒ぎがして眠れません。



265: 名無しさん@おーぷん 2018/03/09(金)05:57:41 ID:kWF
僕は、喉の乾きを覚えてキッチンへと行きました。
家の中はすべて電気が消えていたので、両親は眠っているようです。
飲み物を探そうと冷蔵庫を開けると、中からは酷い異臭がします。見てみると、冷蔵庫の中の物はすべて腐敗しているようでした。

なんだ?

賞味期限を確かめてみると、全ての食品が5年近く前に賞味切れです。
気味が悪くなって悪寒を感じました・・・

とにかく、両親に聞いてみなければ。
両親の部屋に行くと、その部屋には誰も居ません。
それどころか、布団さえ敷いてありません。
部屋はずっと使われていないかのように埃っぽく、良く見ると蜘蛛の巣まで張っています。

本能的な恐怖が僕を支配します。



266: 名無しさん@おーぷん 2018/03/09(金)05:59:12 ID:kWF
これは明らかに異常だ。

すぐに、荷物をまとめて、外に停めてあった車に乗り込みました。
急いで車を出そうとすると、バックミラー越しに両親の姿が見えました。

あれはきっと、僕の本物の親じゃない。
大急ぎでその家から遠ざかりました。
行きに立ち寄ったサービスエリアまで逃げ切れた時に、やっと安心感に包まれました。

僕は、そのサービスエリア内に車を停め、昼過ぎまでそこで眠りました。起きた後、怖かったのですが実家に電話をかけてみました。

母が受話器に出ました。

昨晩のことを尋ねてみると、僕は実家に帰ってきていないと言います。

一体どうなっているのでしょう。

戦々恐々としながらも、もう一度実家に行ってみると、あの重苦しく不快な空気感は全くなく、僕の知っている両親と家でした。



267: 名無しさん@おーぷん 2018/03/09(金)06:00:36 ID:kWF
その日は、親子の会話を楽しむと泊っていかずに帰ることにしました。

帰り道で、僕の携帯が鳴りました。

実家からの着信です。

出てみると母なのですが、また、あの嫌な気配を感じました。

母は、

「戻ってきなさい。。。。」

と言います。

僕は、反射的に返事をせず電話を切ると、携帯の電源も落としました。

この体験が何だったのか、いまだに謎なのです。
このことがあってから、実家に帰ることに抵抗を感じてしまいます。


引用元:https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1520524019/