私と父は家から程近い山道を歩くことが好きで、その日もよく行く地点へ向かって歩を進めていました。
近くに沢があり耳が気持ちよく、木々も自然のまま生えているので昼でも薄暗い道が続くのですが、その日は突然音が無くなりました。
自分と父の息遣いと声しか聞こえないんです。
鳥の囀りどころか、風で葉が擦れる音まで聞こえなくなり、静寂がうるさいくらいでした。
そこで父が怖い顔をして「戻ろう」と言ったので、何となく異常だと感じていた私も素直に従って家まで戻りました。
結局あの現象はなんだったのか分からないままで、父も「詳しくは知らないけど昔からたまにある、そういう時はすぐに山から出ないといけない」と珍しく真面目な顔をしていました。
今でもその山にはよく行きますが、音が無くなったのはあの時だけです。
投稿者:桜様
投稿者:桜様
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オカルトでは無いと思って気にして無いけど、なんなんだろうねアレ
鳥の鳴き声が響き渡るイメージだったけど実際はちゃうんやなと思って不思議にも思わんかった
そんな怪奇現象に遭遇したら生きた心地しない。
無音になることは有るけどうるさくないし
山に山神が住んでて、山神が山を見廻ったり、客人(勿論神仙の類)が来るときは、先触れとして静寂が来るそうだ。
里には塞の神が居て、田の神は山神の社と塞の神の祠を半年毎に行き来している
そのお迎えやお見送りの神事も、今もやってる
煩わしいというニュアンスでは?
玄関前に薄い板を互い違いに立てるだけで、音が減衰されて、殆ど消音される事も有りますし。
自動車の消音も同じ原理だったと思います。
突発性難聴は通常片側だけで尚且つあらゆる音域の音が聞こえづらくなる
環境音が全く聞こえなくなったり人の息遣いや声だけが聞こえるという症状は聞いたことない
他に濃い霧が出て周囲が全く見えなくなるというのもあるね
耳の異常や脳の異常じゃない。
自分が立てる音はちゃんと聞こえるし、山以外ではそんな症状がでないしね。
明らかに周囲の空気が変わるのが、肌でも分かる感じ。
自分には「異界に踏み込んだ」って表現が、一番しっくり来るな。
海や森林限界以上の高度の高山では、そういうのがない。
樹木で視野が悪い上に野生生物との遭遇の危険がある環境だと、本能的に感覚が研ぎ澄まされて、過剰になると感覚のエラーを引き起こしているのかも知れない。
でも、呑気に歩いていても、いきなり来る現象だから、本当に不思議。
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