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149: 兄 1/3 2006/12/09(土) 13:37:01 ID:frhLrjZ50
俺には兄がいたはずだった。
だが兄は流産で生まれてはこなかった。
小学四年生、衝動の多かった夏休み。
俺の足の傷がやけに酷かった。

俺は日本とフィリピンのハーフだ。
父が日本人、母がフィリピン人。
だが、見かけは純粋な日本人で、
ハーフだと言っても誰も信じなかった。
俺には姉がいて、日々喧嘩が耐えなかった。
そんな俺はいつも別の存在を求めていた。
ある日、母は俺に言った。
俺には兄がいたことを。
だが、兄はこの世に生を授かることも無く
流産で死んでしまった。
だが、それにはあまりにも謎の部分が
多すぎた。




150: 兄 2/3 2006/12/09(土) 13:37:44 ID:frhLrjZ50
母が妊娠しだすと、頭痛が耐えなくなった。
その上、熱も出るようになり、妊娠している
時は体調は優れていなかった。
そのうち、足に病気を持った。
俺が幼い時、母の印象は普段外出をしない
体たらくな人だった。
今ではすっかり足も元に戻ったが、それこそ
昔母は十分も歩けないほどで、薬漬け
だったのを覚えている。
だが、後に俺と姉を妊娠している時は
熱などはでなかったそうだ。
そして、母はある日から妙な夢を見始めた。
右半身が無い赤子が這って来る夢だ。
いつも目の前まで来るとそこで夢は終わる。
そして、その日が来た。
母は家の階段から落ちてしまった。
無理をした結果だった。
すぐに病院に駆けつけたが時遅く、兄は
生まれることは無かった。



151: 兄 3/3 2006/12/09(土) 13:38:25 ID:frhLrjZ50
父がその日医者に呼ばれた。
写真のようなものを見せられ、それが赤子だと
分かった。
だが、その赤子は右半身が無い。
医者は、事実を教えていなかった。
形ができ始めてから奇形児だと医者は知っていた。
だが、あまりにも酷に思った医者は伝えてはいなかった。
母にはその事を伝えてはいないようで、
後に俺は父に聞かされる。
だが、その時父は言った。
「何でもかんでも呪いを関連付けるな」
父は、これとそれとは別件だと言った。
呪い。俺の足の傷はやはり呪いなのだろうか。
だが、父の足には傷は無かった。

だが、そうだとしても俺は妙なものを
感じる。兄と俺。何かがあるんじゃないのかと。
俺の左目は1.5だが、右目の視力は0.1未満だ。
そして、何よりも決定的なのが
俺の右手に親指は無い。


引用元:https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1165471180/