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541: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/01/31 05:47
夏がくるたびに思い出すこと。
小さい頃、両親に連れられて瀬戸内海にある豊島(てしま)によく行った。
叔母がそこにいるので、夏になると海水浴に行った。
豊島は、産業廃棄物で有名!?になってしまった島だが、当時はまだ
そんなものなくて海で泳げたんだ。
私はまだ小学校の低学年だったが、足ひれをつけたらいくらでも泳げる
自信があった。

瀬戸内海は遠浅で、随分と沖までいかないと深くならない。
私はとにかく沖へ出発した。
何百メートル離れたか定かではないけれど、まだ小さかった私は少々
不安感を感じて、岸へ方向を変え泳ぎ出した。
岸は随分小さく見えた。
海の家が小指の先よりも小さく見えた。
私は体力的な不安感から、少し焦りながら泳いでいった。
でも、一向に岸が近くならない。
沖へ沖へ流されていくようだった。
水中眼鏡に水が入り目が痛くなり、ますます焦って泳いだ。
そんな時、突然、目の前に顔が現れた。多分、女の人だと思う。
目がぎょろっと大きくて、無表情に私を見ていた。
髪の毛は、まるで海草がくっついているようなそんな感じだった。
私は怖さを感じ、とっさに海に潜り右へ方向転換して再び水面に上がった。
左手側を振り向いたが、人の頭らしきものはなかった。
私は何度も後ろを振り返りながら岸を目指し、なんとか足の届くところ
までついた。
今でもあの人の表情は忘れない。
でも、心配そうな顔だったようにも思う。
豊島は今、産業廃棄物のせいで、もう泳げるような状態じゃない。
砂浜じゃなくて、小石の浜で足の裏が痛かったのが思い出である。



543: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/01/31 12:34
>>541
そっちに行くと流されるぞ、ということを教えたかったのかな?
フツーだったらいきなり足ひっぱるからな。


引用元:http://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1038436656/