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538:本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 15:46:23.62 ID:gjX0o+VR0
中学生時代も混ざってるのでこのスレでいいのか分らないけど投下。

うちの両親は共働きで小学の頃、夏休みは7月の終わりから8月の下旬まで祖父の家に預けられていたのだが
祖父の家は湖のほとりの小さな集落にあって、上流は道沿いに清流が流れていた。
小学4年までは、川に遊びに行く時は祖父か祖母と一緒に行っていたのだが
小5になってからは「1人でも大丈夫」と言って1人で川に遊びに行くようになった。
まぁ本音は川遊びなんかよりも、当時流行っていたポケモンを隠れてやりたかっただけなのだが・・・。
そんなある日、川辺でポケモンをやってると後ろから「ねぇねぇ」と女の子から声をかけられたので振り向いてみると
セミロングぐらいの髪の毛に赤い髪留めみたいのをつけワンピースを着た同級生ぐらいの女の子がいた。
当時、クラスの女子は学校に持込んだカードやゲームボーイを先生にすぐチクるので
俺のいた男子グループは女子と結構不仲で内心うぜぇとか思って気にせずポケモンをやっていたんだが
その子は俺とゲームボーイに随分興味があるみたいで隣に座って画面を見ながら色々質問をしてきた。



539:本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 15:47:39.69 ID:gjX0o+VR0
ポケモンに興味を示す女子は珍しかったので、俺もついつい舞い上がり、どや顔してたのかどうかがは分らんが
得意げに説明して、その説明を聞いて女の子は凄く嬉しそうだった。
10分ぐらいそんな状態が続いて、見てるだけじゃかわいそうだなーと思った俺は「君もやってみる?」
と聞いてみると100万ドルの笑顔で「うんっ!」と喜んでくれた。その笑顔は今でも忘れられない。
昼前にはゲームボーイの電池が切れていたので、一旦別れて昼食を取る為俺は祖父の家に戻った。
昼からは女の子と一緒に川辺で釣りをしたり、虫をとったりして遊んでいた。
夕暮れ時になり、俺は家に帰らなければならない事を伝えると、女の子は「また明日も遊ぼうね」と言い
俺も二つ返事でOKし、お互い名前を名乗って分かれた。以後女の子の名前はA子と呼ぶようになった

その日から毎日のように朝はポケモン、昼は川遊びをするようになった。
A子は川や山の事に凄く詳しく、俺1人では行けないような沢にも案内してくれたり
泳ぎが得意じゃなかった俺に手取り足取り泳ぎを教えてくれたり(ただし平泳ぎ)
釣り人が捨てた仕掛け針やテングスを上手く結んで釣竿を作ったり
魚の釣れる場所をピンポイントで当てたりしていた。
当然夕方祖父の家に戻る時はヤマメやイワナを持ち帰っていたので、祖父からは釣り名人とか言われていた。
今にして思えば小学生がヤマメやイワナをあんなに釣るなんておかしな話なんだよな・・・。
そして自宅に帰る前の日来年もまた来ると約束してA子とは別れた。



540:本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 15:48:50.54 ID:gjX0o+VR0
次の年は俺も中学受験で忙しかった事もあり8月の中旬に1週間程度しか祖父の家にはいられなかったが
川辺に行くとやはりA子と再開でき、一緒に遊ぶことが出来た。
しかし自宅へ帰る前日の別れ際、A子から「来年はここにきちゃダメ」と言われ
理由を聞くと優しかったA子が急に怒ったような顔をして「絶対ダメ!来たら悲し事になるから絶対来ないで!」
と言われ、納得できないので俺も「そんな怒らなくてもいいじゃないか」っと怒りっぽく返すと
A子は泣きながら「俺君の事なんて大嫌い!もう会いたくない!」と言って上流側の林道へ走り去ってしまった。
正直な所、A子の事が好きになってた俺はフられたみたいで悲しくなり、泣きながら祖父の家に帰った。

受験に成功し、私立中学に入学できた俺は入学祝に当時最新のハードだったドリキャスを買ってもらった事や
部活動で忙しかった事もあり、夏休みは部活動と友達とバーチャファイターやダイナマイト刑事をやり込んでいたので
中1の頃は祖父の家に行く事は無かった。だがその年に川では大きな水難事故が発生した事は忘れられない。
ニュース映像で出ていた増水した川は、A子と遊んでいた場所でもあったからだ。
その翌年、両親と共に祖父の家に3泊4日で行く事になったので、俺はあの時の事をA子に謝ろうと思って
もうやらなくなったゲームボーイとA子が好きだったゼニガメのぬいぐるみを持って川へ行ったのだが
A子はおらず、待ちぼうけしてるのもヒマなのでA子が作ってくれたように自作の釣り竿を作って釣りをやってみたが
当然カスリもせず、フル装備な釣り人にバカにされる始末だった。



541:本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 15:50:09.03 ID:gjX0o+VR0
翌日、両親は温泉に行くから一緒にこないか?と誘われたが、釣りがしたい、と嘘をついて断った。
それを聞いた祖父は大喜びで、納戸から古い釣竿と仕掛けセットを持ってきてくれた。
しかし、これは海釣り用の竿と仕掛けだ・・・じいちゃん。
結局その日もA子には会えず、じいちゃんから渡された釣竿で釣りをしてみるも
当然1本も当たらず、またしてもフル装備な釣り人に笑われる。畜生が・・・・。
その翌日、川辺に行けるのは最後の日。これで会えなかったら諦めようと思ってた。
しかし、その日は小雨が降っており、両親は引き止めたが祖父は
「釣り名人の血が騒ぐんだな!」と言って俺の背中を押してくれた。
川辺に行くと、A子どころか釣り人もおらず、仕方ないので木陰で雨宿りしていると
「俺君、こんな所にいたら風邪引くよ」と後ろからA子の声がした。
すぐに振り向くとびしょ濡れのA子の姿があった。
だが、一昨年会った時より体はずっと成長していた。

俺はそんなA子を見て緊張してしまい、体が硬直してしまったのだが
A子は「私、俺君に謝らないといけない。あの時あんな事言ってごめんね」と頭を下げた。
俺は謝ろうとしてた筈なのだが何故かとっさにゲームボーイとぬいぐるみの入ったバッグを
「い、いや!きにしないで!これあげる!」と、押し付けるように渡してしまった。
A子は喜んでくれたが、凄く悲しそうな顔をしていた。そして
「もう会えないと思う、会っちゃいけないと思う。でも私は俺君の事絶対忘れないから、俺君は私の事忘れて」と言われた。
俺は意味が分らなかった。だけどこの言葉ははっきり覚えている。
何故なら「え?」と言った時にはA子はもうどこにもいなかったから。
それ以降、祖父の家に行っても二度とA子に会うことは無かった。



542:本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 15:51:58.39 ID:gjX0o+VR0
んで話は昨日の合コンに飛ぶ
合コンでこの体験を話すと、参加メンバーは一様にうそくせーとか面白半分に山の神様とかじゃねーの?とか
言っていたんだが、合コン相手のオカルト好きな子が1人だけ
「A子さんは河童だと思う、それなら全部納得行くし」
と大真面目な顔で言われてしまった。
河童って頭に皿あってクチバシついてるアレじゃねぇの?似てねぇよ・・・。
とにかく今となってはA子は何者だったのか、俺にはもう確かめる術はないが



550:本当にあった怖い名無し:2011/06/28(火) 09:14:26.32 ID:uvACCyib0
>>542 感動した。まさに理想が結晶化したような作品。



543:本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 16:02:00.76 ID:JZQx8KoP0
うるっとしたぞ。

ありがとな。


引用元:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1425032451/