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20/06/27
子供の頃に住んでいた地区には立派な公会堂(地区の集会所)があった。

過去に廻船で栄えたことのある地域で、隣接する広場には先々帝様のお手植えの松があったり、
大河ドラマに出てくるような人が撰文した碑があったりと、まぁ由緒もあったのかも。

私が小5の時にその公会堂の屋根の葺き替えがあった。
多分、地区の左官さんが指揮をして、男の人達がそれを手伝っていたのだろう。

その人達のお昼ごはんは我が家で調理された。割と近かったし土間の台所があったからだと思う。
私と弟は近所のおばさん達に頼まれて、昼食ができたことを伝えに行ったのだが、
男の人達は作業をしていなくて、何やら異様な雰囲気だった。


男の人達は何かを取り囲んで見ていて、一様にゲンナリした感じだった。
弟は「ご飯ができたぞー」と騒いでいたので「こっちに来るな」とか「見るな」と言われていたけど、私はそっと近づいて男の人達が取り囲んでいたものを見た。

それは30センチくらいの小さな人間の全身の骨だった。

私は「コビトの骨?」と思ったが、赤ん坊か胎児の骨だろうということだった。
ボロボロになってはいたが、木の箱に入っていたらしい。

皆がゲンナリしていたのは、その箱が、建物が完成してからは置けない場所にあったからだという。

その地区は江戸時代の新田の一番土手の上にあって、近くに島がある関係で、昔から新田開拓の一番の難所であったと伝えられていたので。

その後、その小さな骨がどうなったか全く覚えていないし、我が家で話題になったこともない。


投稿者:ユミル様