屋根裏

333: 1/3:2011/06/20(月) 19:13:51.57 ID:LXYIeNr50
G県H市のある村に、ある家族が住んでいた。
寝たきりで99歳にもなる祖父、その孫で5歳のA、そしてその両親。
昼間、両親は働きに出ている。

Aはとても好奇心旺盛で家の中を遊びまわっていた。
ある日、Aが何気なくふすまを開けると天井裏に通じる板が外れていた。
家の中にも飽きてきたAはしまってある布団をよじのぼり、そこに入った。
周りは想像以上に暗く、恐怖心が湧き上がった。

しかし、好奇心が勝り更に進んでいった。
しばらく歩き回っていると足元に箱があることに気がついた。
「こんなところにあるくらいだから、きっとすごいものに違いない」とAは考え、入り口のほうに運ぼうとした。

しかし以上に重い。子供の頭ほどなのに10キロはありそうだ。
仕方なく引きずっていくことにした。
だんだん入り口に近づくにつれ、箱の側面が見えてきた。
真っ黒で、ところどころ白い。ふたは黒い紙で固定してあった。
さらに近づく。さらに明るくなってくる。

真っ黒だと思っていた側面は、白い箱に黒い文字がびっしりと
書かれているようだ。ふたの紙も同様。白い紙に文字がびっしり書いてあった。
振り向いて入り口の位置を確認する。あと1m位だ。もう一度箱を見た。

そこで、あることに気がついた。
箱の側面にびっしりと書いてある文字。
それはお経だった。
蓋についている紙はお札だった



334: 2/3:2011/06/20(月) 19:14:25.91 ID:LXYIeNr50
そのとたん、Aの体に恐怖が電気のように走った。
そのとき、前方の暗闇から「ペタ・・ペタ・・」という足音がしてきた。

Aはとっさに「それ」を絶対に見てはいけないと思った。
振り向いて逃げようとしたが、恐怖で足が動かない。
どんどんこっちに近づいてくる。あと少しで「それ」に入り口の光が当たる。
そうしたら見えてしまう。あと少し・・・・・もうだめだ。

と思った瞬間、Aの体は入り口の穴に落ちていき、布団の上に落ちた。
Aが顔をあげると、そこには寝たきりのはずの祖父がいた。

わけもわからず唖然としていると、祖父はいきなり「去れ!!」と叫んだ。
Aは混乱してきた。祖父は再び「もう十分であろう!!」と叫んだ。

祖父の顔を見上げる。しかし祖父はAをみていない。
入り口を凝視している。正確には、入り口にいる「それ」を。
しばらくその状態が続いた。とても長い時間に思えた。

五分ほどして、祖父はAにゆっくり
「後ろを決して振り向かずに、わしの部屋へ行け。いいな。絶対に振り向くな」
といった。

Aはわけもわからずままさっとふすまから飛び降り、隣の部屋を目指した。
そこで呆然と立ち尽くした。

さらに五分後、祖父がよろよろと部屋に戻ってきた。
今にも倒れそうだ。Aは祖父を支え、布団に連れて行った。
祖父は横になると、ため息をつきゆっくりと話し出した。

「A、今のはな・・・わしの・・・」
とまで言ったとき、向こうの部屋でふすまが開く音がした。

そしてまた「ぺタ・・ぺタ・・」という足音が聞こえてきた。



335: 3/3:2011/06/20(月) 19:14:58.20 ID:LXYIeNr50
祖父はいきなりAの手をつかみ、布団の中に引きずり込んだ。
99歳とは思えないほどの力だった。

今度は祖父の部屋の扉が開いた。祖父の体はガタガタと震えていた。
そして何かつぶやいていた。よく聞こえなかったが、

「すまない」「許してくれ」「この子だけはやめろ」
と言う風にきこえた。Aはそのうち気が遠のいて目の前がゆれてきた。

そのとき布団の隙間から「それ」の足がみえた。
腐っているかのような紫色でところどころ皮膚がずり落ちていた。

そのままAは気絶してしまった。
気がついたとき、Aは祖父の布団に一人で寝ていた。

時間はあのときから五時間も過ぎている。
祖父は・・・? Aが家中を探してもどこにもいない。
両親が帰ってきて、警察がでてきても見つからなかった。

一週間後どうしても気になり、Aが恐る恐るふすまを開けると、
以前あった入り口は完全にふさがっていた。

Aは安心してふすまを閉めようとした。
そのとき、Aは見てしまった。
厳重にしめられた入り口の戸に挟まっている、祖父がしていたお守りを


引用元:https://5ch.live/cache/view/occult/1226484468/