きのこ

60 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 12:27 ID:YSSTlOPh
小学生の頃の話し 

早朝に山へ出かけて、ネマガリタケというタケノコを採っていると、 
まだ背の低かった俺は、方角を見失ってしまった。 

この竹(本当はチシマザサって言うらしいけど)は、背が低いけど、 
ものすごい勢いで群生して生えているので、前に進むのも容易じゃないし、 
生えている場所が急勾配で、とても歩きにくい。 
竹林の中で途方に暮れていると、竹林の奥から「ハァッハァッ」という、 
危ないオッサンか野犬の息づかいのような音が聞こえてきた。 
薄暗い竹林の中で、俺がビビりまくっていると、目の前に茶色い体をした 
オオカミみたいな動物が姿を現した。 
見ると、顔はひしゃげた子供のような顔で、鼻と耳がなかった。 
俺が死ぬほど怖がっていると、その動物は、びっくりしたように俺を見つめた後、 
「まったく、ついて来い」 
と、ものすごく乾いた、子供のような声で言った。 
普通なら絶対について行くわけがないんだけど、恐怖よりも 
「ついて行かなくちゃ」 
という気持ちの方が強くて、その動物について行った。 
途中、竹林の中に小さな小川があって、それを飛び越えると、 
本当にその途端に、俺は竹林の外に出ていた。 
背後でガサガサと音が聞こえたので見ると、その動物の尻尾が 
竹林の中にとけ込むように消えていくところだった。 
とりあえず「ありがとうございました」と頭を下げた。 
ちなみに、親父はタケノコをリュックいっぱいに採ってきて、 
俺の話しを聞くと「感謝しておけ」と頭をクシャクシャやられた。 
そして、採ったタケノコの3分の1とおにぎり1つを竹林の前に置いて帰路についた。 
微妙にセコいお礼だった。 



62 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 13:29 ID:SM88+Ual
>60 
セコくても感謝の気持ちが大切ですね。



71 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 19:00 ID:zPzim/L3
>そして、採ったタケノコの3分の1とおにぎり1つを竹林の前に置いて帰路についた。 

そういう場合は、外から持ってきたもの(おにぎりとか、お菓子とか。酒があればなお良い)を 
ちょっとだけ、お礼の言葉と一緒に置いてくればいいんだよ。 

タケノコや山菜など、その山の物はそこに住むモノたちのものだから、 
取ってしまったものはそれを咎められない限り、無理に返さなくても良い。 
咎めて来ないということは、持って行く事を赦してもらえているということだから、 
感謝して頂いてよい。 

そのへんのもの根こそぎ全部持って行くとか、潰すような真似をしなければ、 
山は基本的に人のやる事にいちいち干渉はしてこないし。 



72 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 21:14 ID:5CnkV77z
>>71 
>そのへんのもの根こそぎ全部持って行くとか、潰すような真似をしなければ、 
>山は基本的に人のやる事にいちいち干渉はしてこないし。 

タラの芽を手でむしらずに刃物で根こそぎ切っていく常識知らずに是非とも干渉して欲しいです(´д⊂) 



63 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/15 13:36 ID:FPHjGNDD
>59-60タソ乙です おもろかったよー 
なんとなく「ミツ」を思い起こさせる話だね 他の話では邪悪な存在みたいだけど子供にはやさしいのかな 
何処ら辺の地方なのかヨカータらおしえてちょ またなんかあったらよろです 



79 :59-60:04/05/16 11:58 ID:VBVvCAky
>>63 
長野県です。

まだ幾つか、聞いた話しとか、体験した話しがあるので書き込ませて下さい。 



消防の時の話し 


俺の母方の実家も山の中。 

半端じゃなく山だった。 

今では婆さまが亡くなって、爺さまはお袋の姉の家に移っちゃったし、もう行く事もないと思うけど。 

夏休み、親子連れだって田舎に遊びに行った時、ちょっと怖い体験をした事が何度かある。 

真夏の炎天下、虫取り網を片手に、近くの林に虫を取りに行くため、あぜ道を歩いていた。 

ふと、田んぼを見ると、なんかモヤモヤとした陽炎の中に、白い物体が漂っている。 

何だろう?と、ぼんやり見つめていると、全身の力が抜けて、頭がぼんやりして来た。

一度、熱射病になった事があるけど、あの時とは全然感覚が違ってた。 

頭から血の気が失せていく感じ。 

その時、軽トラで通りがかった、近所のオッサンが、俺の異変に気づいてくれたのか走り寄ってきて、 

俺を抱き上げると、田んぼの中に立たされた。 

しばらくすると、頭のぼんやりが消えていき、目の前にかかっていた白いモヤのような物が晴れていくのを感じた。 

見ると、さっきまで白い物が漂っていた場所には何もなくなっていた。 

「あぶねぇ、ユウダチは見ちゃならねぇ」 

と、頭をゴツンとやられた。 

その後、軽トラで家まで送ってもらい、その事を婆さまに話すと、婆さまはオハギを作り始めた。 

3つ作ったオハギの1つは俺に、1つは近所のオッサンに、最後の1つは田んぼに放り込んだ。 

で、最後に頭をゴツンとやられた。 

農作業から帰って来た爺さまにも、その事を話すと、頭をゴツンとやられた。 

あの白い物体は謎だけど、1日になぜ俺が3回も頭をゴツンとやられないといけないのか、その方が謎だった。 




80 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/16 12:04 ID:/gPhhSOy

>>79 

田んぼで白い何か、っていうと「くねくね」が連想されますね。 

頭ゴツンで済んで良かったかもよ… 


 
引用元:http://hobby5.5ch.net/test/read.cgi/occult/1084366168/