山、雪道

82本当にあった怖い名無し2018/11/04(日) 10:37:01.59ID:9fkrErKG0
遅くなってすまん。 
>>68-72の話に対してリクエストがあったからもう一つ投下する。 

これから書く話で地名等は細かく書けないが、東北ではそこそこ有名な山だから伏せ字の◯に何が入るか知っている人なら調べたら普通に分かる道だ。 
但し今回の話は地元民しか通らない“その道に続く山道”の話で、俺らはその時“その道”にすら辿り着けていない。

俺が高校の時の秋の暮れ、既に卒業して車を持ってる幼なじみの先輩とよく遊んでた。 
その日は先輩の仕事が休みで夕方学校まで迎えに来てくれたから、そのまま「◯◯ーラインにドライブに行くべ!」って話になった。 
地元の山から先の道は途中から車一台しか通れない、外灯なんて一個もない裏道があって、そこから◯◯ーラインに抜けて山の反対側の町まで時間短縮して行ける。



83本当にあった怖い名無し2018/11/04(日) 10:38:31.75ID:9fkrErKG0
だが勢いで裏道に行ったはいいが先輩のセダンでは道幅ギリギリ、更にそこは舗装も大してされておらずクネクネとした険しい登り坂だった。 
30分ぐらい登った頃、地面にはみぞれ状の雪がうっすら積もっていた。 
まだスタッドレスを履いていなかった先輩は車が滑りまくってめちゃくちゃ焦り「もうこれ無理だから戻るべ」と言ったんだが、バックしながら戻るには左側は崖みたいになってるし難易度が高過ぎてバックはまさに無理ゲー。 
「この先に譲り合い用の避難場所があったハズだから何とかそこまで行ってUターンするか◯◯ーラインに抜けるしかないんじゃない;;?」 
こんな人気も電波も全く無い暗い山道で立ち往生する訳にもいかず、とりあえず俺の意見通りにそのまま車はスリップしながら登った。



84本当にあった怖い名無し2018/11/04(日) 10:39:28.68ID:9fkrErKG0
山に登るにつれてうっすらだった雪は10センチ弱まで深くなり、外灯も無く車のライト頼りだったのが熊の足あと出現で余計に恐怖を感じた俺達はいよいよ急がないとヤバイってなっていた。 
んで、しばらく登ったら右側にかなり古びた木の看板が見えてきた。 
看板自体がやや雪をかぶっていたのもあったが、通過する時にくすんだ赤字で【沢村2k】と書いてあるのだけが読めた。 
(…あれ、この一本道の途中に村なんかあったっけ?) 
若干考えたが、俺達はとにかくUターンするか雪道を抜ける事しか考えられなくなっていた。 
そうこうしている内にかなり開けた広場の様な場所に辿り着いたんだ。 
でもその先へ続くハズの道はない。 
その代わり正面にあったのは茶色く朽ちた大きな鳥居。



85本当にあった怖い名無し2018/11/04(日) 10:40:43.39ID:9fkrErKG0
道がないからUターンするしかなかった訳だが、その際鳥居の前を通過する時に鳥居の先の階段の上を見た。 
階段の先には霧がかかっていたんだが、階段の上には霧よりも更に濃いヒト型の白い何かがユラユラとたくさん動いていた。 
俺「ちょ…見た……?」 
先輩「…おい、もう見んなよ。“アレ”階段降りて来てた」 
それ以降は俺も先輩も様々な恐怖でパニックになり沈黙。 
同じ道なのになぜか帰り道の下り坂に雪や看板は跡形もなくなっていた。 

後日談として、次の年の夏にまた先輩と軽に乗り換えて行ってみたらちゃんと◯◯ーラインを通過して隣町に行けた。 
やはりあの道は一本道で、あれ以来その鳥居のある場所には今のところ行けていない。 
もしあの時車から降りて興味本位で鳥居の先に入っていたらどうなっていたのか、今では分からない。



88本当にあった怖い名無し2018/11/04(日) 16:24:49.32ID:ynmRGSOL0
>>85 
良かったよ!



106本当にあった怖い名無し2018/11/06(火) 11:48:26.24ID:msKHqE250
>>85 
エ◯◯ラインでそんな体験あるとかかなり興味深い 
詳しいルートとか分かれば行きたい


引用元:https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1540841777