611: 本当にあった怖い名無し 2010/09/06(月) 14:06:21 ID:Y9gwHioy0
もう10年以上前、自衛業やってた頃の話。
新隊員後期教育で8月下旬に野営訓練で東富士に行った。
塹壕掘って抵抗線や対空陣地を構築して幕舎建てたりで訓練をしてたんだが、
助教連中も訓練風景の写真を撮ったりして、日中はわりとなごやかにキャンプ気分だった。
日没後からが本番で各班に分かれて夜通しの歩哨訓練。
塹壕で2人組になって監視警戒にあたるのだが、わたしのバディは「見える」と評判のWAC(女性隊員)だった。
彼女はこれまでも隊舎で何かに遭遇したりそれが元で体調を壊したりで訓練を休むことが多く、他のWACから疎まれていた。
今回は別に体調も悪くは見えなかったのだが、日が暮れてから彼女の表情が曇り少し様子が変だった。
まあ思い過ごしだろうと思っているうちにわたしたちバディの番がまわって来て64小銃を構えて警戒に立つ。
照明の無い林の中、雲も無く満天の星空、暗闇の中に更に黒い富士山のシルエット。
登山者たちの灯す明かりが山頂付近まで連なっている。
訓練でなければ口説きたくなるような非常にロマンティックな夜景。
ゲリコマに扮した助教が状況中襲撃かけてくる可能性もあるので、
ああ、くだらんこと考えてないで任務にあたらんとなあと思っていると、傍らからカタカタと音がする。
何かなと彼女の方を見るとそれは装具類が発している音で、彼女は小刻みに震えている。
驚いて「どうした?」と訊ねると「そこに今まで見たこともない気味の悪いものがいる」
と正面の少し拓けた砂利の広場を指差した。
さては敵襲かと良く見るが誰もいない。
わたしは零感なんでこの世のものでは無いものなど見えるわけもなし。
彼女の震えは止まらず鉄帽の下は苦悶の表情。
ポケットから取り出した包み紙には塩が入っていて、それを周囲に撒き目の前に盛り、なにやらぶつぶつと唱え始める。
それでも効果がなかったらしい。
震えはガタガタと更に大きくなり、息が乱れ始める。
「だめ…近づいてくる」「おいちょっと、落ち着け。深呼吸しろ!」「来ないで…!」
彼女は失神して塹壕内に崩れ落ちた。
612: 611 2010/09/06(月) 14:07:13 ID:Y9gwHioy0
わたしには何も見えなかったし、他の班も近隣で同じ方面を警戒していたんだが何も変なものは見なかったそうだ。
他のWACたちによれば、わたしの気を引くためにわざと倒れたんだろとのことだったが…。
後日助教たちが撮った写真を現像した。
なぜかその塹壕付近で撮った写真だけがぶれていて、まともに写っているものが一枚も無い。
他の場所で撮った写真は大丈夫で特に不審なものは無かったのに、その場所の写真だけは全滅だった。
不思議な偶然もあるものだなあと、その時はあまり深くは考えなかった。
(つづく)
634: 611 2010/09/06(月) 23:24:36 ID:Y9gwHioy0
(つづき)
教育を修了し部隊配属になってしばらくしてのこと。
愛知県付近から上陸し首都圏に向かって侵攻してくる敵を富士山周辺で迎え撃つと言う想定の演習があった。
配属後初ながらわりと大規模な演習で、わたしは体調を整え準備万端で臨んだ。
まずは駐屯地近隣の訓練場に陣地を構築し、敵の状況に応じて富士に移動するため待機。
夜も遅くなってから連絡が入り3t半の荷台に押し込まれ、富士に向かって出発。
途中寝てしまったのだが、目がさめると既に演習場の林の中。
真っ暗な林の中をライトも点けずに低速で進行。
何十分も悪路をまわって方向感覚が無くなったところで下車。
休む間も無く「そこに抵抗線を構築せよ」との命令が下る。
円匙を手に地面を掘って数分、なにやら目の焦点が定まらなくなってくる。
手に力が入らなくなって、土を掻き分けることはおろか、円匙を握ることもままならない。
なんだかまずい状況だぞと思いながら溝の縁に腰掛けて周囲を見回した。
闇に目が慣れればそこは見覚えのある景観。
あのWACが失神した場所とおそらく5mと離れていなかった。
このまま掘り進めて行けばまさにあの時の塹壕と同じ場所を掘ることになる。
まさかそんな、あの出来事と関連はないだろうと思うものの、
頭がぼうっとしてきて地面がグラグラと揺れているような気がして立っていられない。
近くにいた仲間が異変に気付き、わたしは抱えられて中隊の天幕へ担ぎこまれた。
体温を計ると既に40℃を超えていて、ここでは手に負えないと衛生隊へ引き渡され野戦病院へ。
衛生隊の天幕でひと晩経過をみたが熱は下がらず上がり続け、危険な状態となったため富士病院へ緊急入院となった。
635: 611 2010/09/06(月) 23:26:19 ID:Y9gwHioy0
しばらく入院してなんとか危機は脱したが、あの場所に着いた直後に熱発したことは偶然にしてはどうも不気味に思われた。
例のWACに病院から電話してみた(違う部隊で演習には参加してない)。
やっぱりね、と言った感じの反応。
あの場所に何かあったのか?何を見たのか?今回の熱発と関連があるのか?とのことを訊ねたのだが、返事ははぐらかされた。
声の感じから軽く薄笑いを浮かべているような雰囲気。
こっちは危うく死にかけたんだぞと思いながら電話を切った。
駐屯地に戻ってから諸先輩方にあの場所についてそれとなく訊ねてみたが、特に何かいわくのある場所では無いようだった。
彼女に関連した何かだったのか、それとも山、演習場にまつわる怪奇だったのか、単なる偶然だったのかは結局わからず仕舞い。
それにしても、失神、ぶれた写真、熱発と、偶然にしては妙なことが同じ場所で続いたなと思う。(了)
引用元:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1280578309/
コメント
コメント一覧
曰くがなくても特異点になりえるのさ
ここだと掲載回数の比較的多い熱海周辺もプレート境界の延長線上にあるんだよね
件の現象がオカルトに起因するものなのか環境が身体に悪影響を起こさせたものかは知らんがね
WAC(女性陸自)がいるとトイレ関係から、さらに絞られる
砲兵森はどうこうとか、パラシュート降下失敗事故現場等語られる場所があるのは事実だが
うーん、零感君にまで影響が出る特異地点の心当たりがないなあ
今まで、延べ数十万人以上の隊員たちが使い続けているというのに
3文字にまとめろ
森の中や山には、得体の知れない何かがいると言われるが、その正体を知るものは誰もいない。
そりゃ正体を知ってるものがいたなら「得体の知れない」モノじゃないからなw
結局体調不良とかそういうオチの与太話やんけ
自衛隊についてはあまり詳しくないので、訳知り顔で書き込むのは気が引けますが、長年社会党(現社民党)や朝日新聞のみならず、自民党の一部の老害からもいじめられてきた自衛隊は、予算も充分付けられず、今でも隊舎のトイレットペーパーは隊員の自腹だとか、「たまに撃つ 弾が無いのが 玉にきず」などという自虐川柳が読まれるなどの状況です。
自衛隊の小銃は、現在は89式で、1989年に制式化されたのでこう呼ばれますが、上記のような予算不足のため64式との交換はなかなか進まず、「投稿が2010年、それより『10年以上前』の話」の頃であればまだ64式が珍しくなかったと思います。
74式戦車に代わる90式戦車も、更にそれに代わる10式戦車も、毎年少数しか生産できないため、各世代の戦車が混在するのが現状です。
君は統合失調症だ
然るべき医療機関に罹り世間から隔絶されて早く鬼籍に入れ
俺もうろ覚えなんだけど、64式がほぼ無くなったのが10年前ぐらいだから、
2010年よりさらに10年以上前ならまだあったはず。
肩透かし食らった感じ。
ひとまず不安を煽っておいて、報告者が次のアクシデントや体調不良をオバケの仕業と結びつけてくれたらシメシメという感じだろう。
他幕はどうか知りませんが
仮想条件が間違ってる訓練なんて何の役にも立たんだろ。
愛知から来るんなら上陸じゃなく既にいる連中だ
警察や自衛隊に消防、病院や葬儀屋に不動産関係とかもあるし、死者と関わる仕事一切無理でしょうに
まあ一部医療関係で見える人の話とか、オカルト関係のサイトでいるみたいだけど
はっきり言って見えない人にしてみれば、嘘つきか我儘としか思われなくてかなり迷惑な話
口が悪い人だと頭おかしいんじゃねえのって、危ない奴とか言われ距離を置かれる
幼少期ならともかく、社会人になって普通は言わないよ
平成が終わろうしている現代でも、熱心な軍国主義な宗教親から無理やりお国の為にって自衛隊に入れさせられたんじゃない
実際に異常な宗教団体がいて、信者とかの子供の夢まで奪って反省しない糞宗教があるし
お国の為とか、世の為、人の為とか、先祖が夢枕に立ったとか言い、会長様が夢に現れたとか言って聞く耳持たない毒親や老害の犠牲者かもしれないかもな
89が採用されたからといってすぐに全小銃が更新されるわけではないし
普通科でないならなおさら
WACなら普通科職種ではないだろうしな
陸自といえど後方職種なら今でも64使ってる部隊もあるんじゃないのか?
もちろんそれは過度なストレス下に長時間置かれた事やいろんな理由はつくんだろうけど
多分、自衛隊員が「オバケ見ました」って申告するのは、パイロットがUFO見ましたってのと同じくらい自分のキャリアや信用を掛けた発言なんだと思う
それを疲れてたからだよ、と一言で片付けるのはその人自身を否定するようで忍びない
ディアトロフ峠の低周波音とか。
※24
子供を自衛隊に入れる宗教団体なんて初耳ですな。
普通はその宗教のしきたりだか戒律だかが自衛隊の集団生活と相容れないというので、良心的兵役拒否とか言ってむしろ忌避する傾向が強いのに。
…そういう毒親から逃げて自衛隊に行くというケースならあるかも知れんが。
「破ァ!」は無理としても防御できるくらいに修行しなさい
光明真言、不動明王真言は特に素質がなくても効果が高いから
徹底した科学調査をしろ、そのための国防予算だ
読んで損した。
山とか海ではおばけはいなくても霊障に近いレベルで体調不良が出ることはよくある
そういった所謂風水的に危険なところを霊的な場所っていうんじゃないかなあって思ってるよ。
特に高山登ってるとすさまじい耳鳴りから頭痛めまい、酸素不足って状況になったりすると幻覚がみえてもおかしくないし。
創作にマジレスするなよ。
ある地域を特定の地形や場所と仮想して演習するなんてよくある事だぞ
というかすべて89式に置き換わる前に新型銃が採用される可能性が高いという事実。
敏感な人はいる。
あそこからあそこを通ってあそこに抜けたあそこですよね?
あそこはヤバいですよ!
あそこは!
この物語の年代と思われる2000年に丁度入隊した者ですが、陸に行った同期で64式を扱っていた人はいませんでした。自分は空だったので64式でしたが( ꒪⌓꒪)
おまけに零感とか変な言葉も作るしw
もう少しうまく書いてくれよ。
消化不良やわぁ。
解決してからはなしてくれや無能。
俺航空科だけど、64使ってる部隊いくつかあるぞ。俺のところはほとんど89式だけど、64式も何丁かはあるしな。
64式はもう生産してないってだけで、未だに現役で使われてはいるんだよ。使ってる弾も89式とは違うから、差別化も図ってるんじゃないかな?知らんけど。
それはそうと、64式のデザインって結構いいよね。俺好き。
そんなだから違和感持たれ続けるんだろうに
本能的に警戒モードに入ってる
検閲中なんて神経が研ぎ澄まされてるから特に嗅覚が半端なく覚醒してるんよ
隣接部隊(200m離れてる)が食ってるバームクーヘンの匂いを察知したりもする
俺も富士でこいつに出会ったとき最初アナコンダかアフリカゾウかブロントサウルスかと思ったがなんとびっくり本物のろくろ首だった たぶんどうせ嘘言ってるって信じないだろうけどw
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