暗い部屋、幽霊

05/12/01
これは、一番人に話すのに気が引けて、一度しか話したことのない話。 
寝ていると、明け方金縛りに。 
よくあるので、気にせずに眠ろうとしたが、低いお経の声が聞こえる。それがうるさくてうるさくて眠れない。 

必死に金縛りを解こうと、指先に神経を集中させる。指を動かし腕を振り、金縛りを解く。
お経もやみ、台所の母の声やテレビの音が聞こえてきた。 
私はほっとして、壁に向く方へ寝返りをうとうとしたのだ。が、ぎょっとして再び固まってしまうことになる。 
壁から何かが出てくる。 
まるい、肌色の、つやつやしたもの。 
下に突起。 
がりがりの腕も2本でてきた。 

くねくねと、壁から這い出ようとするそれは、まるいものをゆっくりこちらへ向けた。 
突起は鼻だった。 
坊主頭で、目にどす黒い隈のある男だ。 
「なぁ…なぁ…いくか?いってもいいか?」 
坊主・僧侶だと感じた。あのお経と同じ低い声。 
「一緒に連れていくか?一緒にいこうや、なぁ?」 

誘われている? 
やっと気付いた私は、目の前数十センチにいるそいつに、なんとか声を振り絞り、言った。
「い…い…かない」 
やつは顔を覗いた。 
そのときの顔を覚えていない。たぶん気を失ったから。笑ったのか?怒ったのか?恐ろしい顔だったのは確かだ。 

しかしまた、数ヵ月後、またやつが現れた。 

私は死を感じていた。 
おかしな汗が流れる。 
明け方に目を覚ますと、やつは、ベッドわきの椅子に座り、私と目が合うのを待っていた。
「さぁ、行こう?一緒に行こう?」 
死ぬんだ…逃げられない。そんな気がした。 
やつはずっとまっている。 
「行こうな?行くよな?さぁ、早く」 
男の後ろに、誰かが居た。見覚えのあるような、紫のジャージ…うつむいて、顔は見えなかった。 
《行かない!行かない!!》 
声がでなかった。 
二人もいる。もうだめなんだ… 

諦めかけたとき、 
バタン! 
ドアが閉まった。 
3人目!? 
目を移すと、二人ともいなくなっていた。 

なぜか、少し淋しくて悲しくて、胸が痛かった。 

それから、数週間後。 
教え子が闘病の末、亡くなっていたと連絡があった。 
優しくて純粋で、卒業しても塾に遊びに来ていた。いつもにこにこしていた。 
彼のジャージは紫色。 

私は彼が救ってくれたと信じている。 
ありがとう。って伝えたい。いつか。 
命の危機を感じた、一番恐い、そして愛しい体験でした。 
読みにくかったらすみませんでした。携帯からなので… 


引用元:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1133179519/