異世界

09/05/22
中学生の頃の話。 
自分の部屋は二階にあったんだけど、階段を上がる時にいつもその段数を数えながら上がってた。 
特に意味も無くて、まぁ癖みたいなもの。 
中2の秋口くらいだったと思う。 

学校から帰って、いつもの様に段数を数えながら階段上がると、 
14段のはずが、何故か15段ある。 
その時は数え間違えたんだと思って、気に留めることもなく、 
階段から廊下を右側に進んで自分の部屋の扉を開けた。 
すると不思議なことに、そこは自分の部屋とは反対に、廊下を左に進んだ先にあるはずの弟の部屋。 

今度はちょっと驚いて、一瞬唖然としたんだけど、 
部活で疲れてたからボーッとしてたんだろうって事にして、弟の部屋を出ようと閉めたばかりのドアを開くと、 
そこは廊下ではなくて、一面の花畑。 
抜ける様な青空の下、赤と黄色の花がどこまでも絨毯みたいに敷き詰められて、遠くの方に山が白く霞んでた。 

さすがにビックリしてドアをすぐ閉めたんだけど、気になって、もう一度開いてもやっぱりそこは花畑。 
もう訳が分からなくなり、凄く怖くなってきた。 
でも唯一の出口であるドアが花畑に通じてしまい、その花畑に出ていく勇気は無かったから、弟の部屋から逃げ出せない。 

それで窓から出ようとカーテンをめくると、見慣れた自分ちの庭、いつも弟の部屋から見えるはずの景色だった。 
一安心して、屋根を伝って自分の部屋の窓の前へ。運良く鍵も開いていて、なんとか中に入れた。 
花畑だったらどうしようと思いながら、廊下に出るドア開けてみたけど、やっぱりそこは普通の廊下。 

弟の部屋にもう一度行って、ドアを閉め、もう一度開けたけど、 
花畑なんかどこにも無い。階段の数も数えたけどこれもやっぱり14段。 
いつのまにか全部が元に戻ってた。


引用元:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1242499637/