月、夜

09/05/07
流れを読まずに投下します。 

風呂の無い家に住んでた高校の頃の話。 
親父が22時頃、一人で近所の銭湯へ出かけて行った。 
銭湯は国道を挟んで反対側にあり、国道には歩道橋が掛かってる。 
距離は直線で50m無いくらいのトコ。 
だから家を出て銭湯に着くまで、 
どこを歩いてても俺の部屋の窓から姿が見える。 

親父が出て10~15分した頃、自室でテレビを見てたら外から声が。 
デカイ声で『お~い○○(俺の名前)!』って。 
明らかに親父の声だった。 が、窓を開けると親父の姿は無い。 
人通りはあったけど、声の主らしき人も見当たらなかった。 

??と思いながらも窓を閉め、またテレビを見ていたが、 
25時過ぎには寝てしまった。 
ちなみに親父は銭湯行ったまま飲みに行ってしまう事が多く、 
その日も俺が寝るまで帰って来なかった。 

夜中3時頃、母親が俺のところに来て『○○(俺の名前)、 
お父さんがアンタの事呼んでない…?』と。 

窓を開けて良く見ると、歩道橋の銭湯側、階段下部に親父が倒れてる。 
酔って脚を滑らし転げ落ちたらしい。 
んで、動けないから俺の名前を叫んでたとの事。 
頭切ってて、結局救急車で運ばれたんだけど。 

ケガする数時間前に聞いたあの声はなんだったんだろう?と、ふと思い出した。 
親父はもう他界してるので、今となっては謎のまま。。


引用元:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1239716040/