人形

05/11/06
もう見えるぞ
「もう見えるぞ。もう見えるぞ。紙と筆をもってこい」 

が臨終の言葉だったうちのじいちゃん。 
今だに親類の語り草になってる。 
俺は直接は聞けなかったけど、想像すると怖すぎる。 

じいちゃんが死んだのは俺が中学2年のときで、その遺品の整理を 
ばあちゃんがしてるのを俺は手伝いに(邪魔しに)行った。 
古い写真がいっぱい出てきて、最初は面白がって見てたんだけど 
気持ちの悪い写真が出てきてだんだん怖くなってきた。 

どんなのかというと、白黒の記念写真で30歳くらいのじいちゃんが 
観光地(温泉街)の名所をバックにポーズをとってる。 
何枚もあるんだけど、よく見るとじいちゃんの立ち位置が写真の中心 
からずれてる。 
ぱっと見ぜんぜん普通の写真だけど、そのズレだけで気分が悪くなった。 

まるでじいちゃんの隣にだれかもう一人いて、それでどっちかに寄っ 
てるような感じだった。 
見えないけど、これは心霊写真の一種じゃないかと思ってゾッとした。 
その写真のことを恐る恐るばあちゃんに聞いてみたけど、当時ばあ 
ちゃんはもう微妙にボケが始まってて、なにかトンチンカンなことを 
話し出したけどよく覚えていない。 
自分の家に帰ってから、親父にその写真のことを話して 
「じいちゃんは霊感が強かったのか」と聞いたら、変に真面目な顔で 
こう言われた。 
「バカおまえ、あの写真を撮ったのはばあちゃんだぞ」 

どうやら見えていたのは、ばあちゃんの方だったらしい。 



224:05/11/06(日) 02:28:00 ID:wYjjrFhC0
うああ・・・地味だけどいい話だ。しっかり怖いよ。 
日常に埋もれた恐怖。 



226:05/11/06(日) 02:44:40 ID:FHO1WdxM0
>どうやら見えていたのは、ばあちゃんの方だったらしい。 
『ああ、なるほどな』と思わず納得しますたw 

それより、じいちゃんの 
>「もう見えるぞ。もう見えるぞ。紙と筆をもってこい」 
が激しく気になるお。 
この世の最後に何がみえたの?? 


引用元:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1130835123/