殺人事件

13/08/08
弁護士の木村晋介氏のエッセイ。 

氏は昔(エッセイの執筆時点で十数年前)、国選弁護人としてある殺人事件を扱った。 
わずか数千円の金を奪うために女性を絞殺した事件だった。 
どうしてそんな少額のために人を殺したのか、何度もいろいろな角度から尋ねたが 
当の本人が頭を抱えて「よくわからない。」と繰り返すばかりだった。 

ある面会日、捜査記録(関係者調書)のコピーを被告人に渡した。それを読んだ彼は 
「母親の調書に書かれていることは本当ですか」と思い詰めた顔で尋ねてきた。 
その調書に書かれていたのは、彼の父親は若いときにわずかの金欲しさに人を殺し 
刑務所で死亡したと書かれていた。「本当のことだと思うよ。」と答えたところ 
彼はぶるぶると震え、泣き崩れた。 
彼は、母親から「父親は若くして病気で死んだ。」と聞かされていたという…。 


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早いうちに父親の真実を知らされていたら、彼の人生は変わったろうか、それとも 
変わらなかっただろうか。 
変わっても変わらなくても後味が悪いと思った。 


引用元:https://toro.5ch.net/test/read.cgi/occult/1373345325/